計算の途中式をなめていた最後の日

子供の頃、海で波にさらわれたなんていう事故のニュースを見てていつも不思議に思っていました。

「波ってそんなに怖いのかな?俺水泳習ってたし、そんな風に流されたり無いでしょ?」

ずっとそんな風に思っていたんですよね。

大学生になって、台風の時期に三重県の熊野でキャンプをしていたことがありました。その時に荒れ狂う海を目の当たりにしました。

地響きを鳴らせて打ち寄せる荒波。生まれて初めて海に恐怖を感じました。そしてその時ようやく心から思えたのです。

「やべぇ、波ってこんなに凄い力あるんだ。こりゃ人間かなわねーな。そりゃさらわれるわ」

この日が海をなめていた自分の最後の日でしたね。

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当塾では個別指導専用教材フォレスタを採用しています。

個別指導専用教材と言うだけあって、この教材が当塾の指導にとても指導に役立っています。

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人気のラーメン屋なんかに行くと使っている素材を細かく説明してくれているところありますよね。あれやってみようかと思いまして今日は書い...

さて、この教材。テストが近くなると「クリアテスト」という確認テストで各単元をサッと最終確認するようになってます。

このクリアテストでミスをした単元は、最後の仕上げとしてその単元に戻って再指導することになってます。

そんな生徒たちの仕上がり具合を見るべく、各生徒が取り組んだクリアテストに目を通すようにしているのですが、少し特徴的なクリアテストがありました。

他の単元は大概マルなのですが、ここの単元だけ大概バツ。6問中合っていたのは1問だけでした。

あまりのコントラストの美しさに目が留まりました。「なんじゃこれ?こんなことある?」

その生徒は中2Mえ。その単元は等式の変形。そのミスの理由は明白。

途中式が芸術的にマズイです。といいますか途中式が芸術的に省かれています。

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頭の中でいくつもの工程を計算してしまって、見事にそのせいでほぼ×になっているのです。

とても興味深い答案でした。Mえというのは真面目な生徒なんですよね。日々足しげく自習にも来てくれています。

一生懸命に取り組む真面目な生徒であっても、数学の途中式の重要性がわかっていないことも多々あるんですよね。

講師からも途中式を省くクセがあるという報告上がってましたし、私も直接伝えたことがあります。「俺でも途中式はキッチリ書くよ。人間ってミスするのよ」なんて。

今日まで何度も言われてきているでしょうし、頭ではわかってるはずなんです。でも心でわかってないんですよね。だから実践できない。

「私なら暗算でできるんじゃね?」「そんないうほどミスしなくない?」「本番に気をつけてやれば〇になることない?」

心の中のこういった声を消せずにいるんです。

真面目に取り組むけど途中式を省くクセの生徒、あとは「中3Aか」とか「中3Jん」もだね。Mえと共にこの記事を時間外指導としてプレゼントするね(´▽`)

さて、Mえに解き直しをしてもらうことにしました。一応途中式をサボっている以外の可能性も考えて。

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自習に来てたMえに話にいきました。

「なぁ、このクリアテスト、この単元だけボコボコじゃん?明らかに途中式が無いからこの結果になってるんだけどね、」

「これは『途中式無くてもやれることない?』って気持ちから省いてるのか、それとも純粋に途中式の書き方がわからなくて『これが途中式じゃない?』って思いなのか、どっちだろう?」

「え、『途中式無くても大丈夫じゃない?』の方です」

「そうか、じゃあちょっとさぁ、もう一度しっかり途中式を書いて解き直してみてよ。途中式を書けば正答率が上がるかどうかを見てみようよ」

しばらくしてMえの持ってきた答案は・・・

ん!ほぼ直った!

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1問しか正解ではなかったこの単元が、1問ミスまで回復しました。その1問ミスも一緒に確認をして指導終了。

Mえに言いました。

「やっぱり途中式をちゃんと書かなきゃいかんってことだよね」

笑顔でハハハと笑いあった後に、私は少し真面目な顔で言いました。

「いい?このことをちゃんと心から理解をしてちゃんと取り組めるかが勝負だからね」

少し太めの針でMえの心を刺しておきました。

こんな会話を関わる大人とずっとしてきているはず。もう大人からこの台詞を言われないように。この日がMえの途中式をなめていた最後の日になるように。

アドバイスを頭に届けるのは簡単なんですけどね。心に届けるのは難しいです。

手を替え品を替え、心に届くように試していきたいと思います。

えぇ、このブログ記事も心に届けるための作戦の一つですよ(´▽`)

うちの生徒「Mえ」と「Aか」と「Jん」を中心にして、計算の途中式をなめてる全国の中学生の心に届くといいです♪

今日はこのへんで。

それでは。

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國立拓治

愛知県岩倉市と兵庫県伊丹市にあるさくら個別指導学院の塾長。2005年より愛知の中学生親子の力になれるよう当ブログを日々更新。月間最大50万PV。拙著「くにたて式中学勉強法」は12刷重版!著書累計は6万5千部突破!休日は余談も発信!3度の飯より飯が好き。詳しいプロフィールはこちら。