塾にとっての教材は、ラーメン屋にとってのスープです!

「前の塾で使ってた教材使っちゃいかん?」

新学年まであと2カ月というこのタイミングで指導教科を追加すると言い出したRくん。

まぁちょっと変わった生徒なので私と彼はこの距離感です(苦笑)

以前もブログにRくんは登場してます。

あと2カ月しか使えない新しい教材を買うことに躊躇しているようです。

そんなRくんだから遠慮なく返事しました。

「悪いな、そういうことしないんだわ」

恐らく昔の私であったならば彼の提案を受けていたでしょう。

「そうだな、たった2カ月だしもったいないし、その教材使ってやるか!」なんて。

でも今はこう思うのです。

「どんな教材かもわからないのにその教材を使って指導をしますと受けてしまうのは逆に失礼じゃないか?

教材も含めて成績を上げるために考え抜いた自塾の指導の手順、たかだか教材1冊の値段がもったいないからと壊すつもりは毛頭ない。

教材代がもったいないからとこの自塾の指導のシステムを壊すぐらいならば新年度まで受講を断ろう」

今の自塾の指導に自信があるからこそ生徒の提案には乗れませんでした。

教材のお金が欲しいから言ってるんじゃないんです。特別な対応がしたくないから言ってるんじゃないんです。

本当に成績を上げたいから言っているのです。

「教材のお金が惜しかったら新年度が始まる春休みまで受講は我慢しなよ。どっちかだ。教材買って今からやるか、春休みまで待つかだな。親と相談しといで」

そう言って帰しました。


人気ラーメン店は卓上に調味料を置きません。

シンプルな醤油ラーメンの人気店のお店とかは何も卓上に置いてませんよね。

それは提供するラーメンの完成度に自信があるからです。

「コショウとか酢とか余計なものは入れてくれるな。

俺のラーメンは出した状態が100点だ。そのままが一番だ」

「コショウを欲しいとか言いやがったらラーメン代返して帰してやるっつーんだ!」

江戸っ子の店主でしたらこんな感じでしょうかね(笑)

ラーメン屋に例えるならRくんは店主の私にこう提案してきた感じでしょうか。

「昨日家でやった鍋の汁が残ってるんですけど、この汁を使ってラーメン作ってくれん?」

他塾でもらった教材を鍋の汁なんて言うのは失礼ではありますが、麺や他の具材との相性を考慮していないスープは全て残り物の鍋の汁と同じレベルです。

人気のラーメン屋に自塾を例えるのもおこがましい話ですが、試行錯誤を10年重ねて実施している現在の自塾の指導を舐めてくれるなという気持ちですね。

そんなわけで当塾では普段使用しているもの以外の教材で授業を行うことはありません。

個別指導塾は一人ひとりに合わせることができるとは言いますが、当塾ではその子の理解度に合わせて指導スピードを調整することだけです。

塾にとっての教材は、ラーメン屋にとってのスープです。

要は肝ということですね。

そんなわけでRくん、どうするか相談してきてね。

俺から言わせたらね、教材費をもったいなく思っているみたいけど、過ぎ行く貴重な中学の時間が一番もったいないと思うけどね。

今日はちょっとカッコつけちゃいましたね。

今日はこのへんで。

それでは。

新年度広告に向けて写真撮影中。姉妹のように見える山川先生とRさん♪IMG_8836

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國立拓治

愛知県岩倉市と兵庫県伊丹市にあるさくら個別指導学院の塾長。2005年より愛知の中学生親子の力になれるよう当ブログを日々更新。月間最大50万PV。拙著「くにたて式中学勉強法」は12刷重版!著書累計は6万5千部突破!休日は余談も発信!3度の飯より飯が好き。詳しいプロフィールはこちら。