昨年あたりから高校入試でも追試が可能になる都道府県・政令市が増えてます。
今春(2018年春入試)では17都道府県と12政令市が追試を実施したようです。
そもそもこの高校入試追試の広がりのきっかけは何かということですが・・・悲しい事件がキッカケみたいなんですよね。
2年前に神奈川で入試当日にインフルになり実力発揮できなかった子の家庭が悲観をして母子心中したという痛ましい事件がきっかけのようです。
事情はいろいろあったにせよ、一発勝負の入試当日に急病で実力出せず、この事件が起こったという事実は動きません。
ふと大学入試のシステムに目を向ければ、大学入試センター試験はそういった配慮がなされていて、公平性の問題とかは別で生じますが追試が可能です。
「高校入試でも追試すべきだろ」「文科省何やってんだよ」「センターでできて高校入試で出来ない理由言ってみろ」
こんな声が神奈川県教育委員会を中心に文科省に集まったのではないかと。声が集まったなんて書きましたが、苦情の電話がジャンジャン鳴ったのだと思います。
センターで追試して高校入試で追試をしない理由は言えないですよね。
文科省がこの事態を収拾すべく全国に追試の実施を検討してほしいと通達を出した・・・という流れではないかと私は想像します。
愛知県は2018年春入試より追試実施開始!
愛知県はこの通達を受けて追試の実施を決めてくれた県の一つです。グッジョブ愛知です。
ちょうど実施要項が2017年春から公開されるようになったところだったので、クリアに状況は見えます。これまたグッジョブ愛知ですね(´▽`)
愛知県の追試に関する全てはこちら↓
3 追検査
高等学校長は、学力検査当日、入学志願者が急病又は交通事故等やむを得ない理由によ り受検できなくなったと認めた場合には、追検査を受検させることができる。ただし、受 検中の急病等による場合は、既に受検した教科及び受検中の教科を除く。また、高等学校 長が上記の理由により遅刻したと認めた場合については、(8)に示すとおりとする。 追検査については、次のとおりとする。
(1) 実施期日 Bグループ 平成30年3月10日(土) Aグループ 平成30年3月14日(水)
(2) 検査場 出願先の高等学校とする。ただし、保健室又は病院において受検させる場合について は、上記2に示すとおりとする。
(3) 出題教科等及び実施日程 第5の2及び6に示すとおりとする。
(4) 受検の手続き ア 追検査を希望する者は、「追検査願書」(別記様式8)及び既に受領した受検票に、 医師の診断書等の追検査を受ける理由を証明するものを添え、次の日時までに、出身 [H30] ― 20― 中学校長を経て、当該高等学校長に提出する。 Bグループ 平成30年3月8日(木)17時 Aグループ 平成30年3月12日(月)17時 イ 高等学校長は、上記アの書類を受け、その理由を正当と認めた場合には、受検票に 追検査を認める旨を記入して渡す。
(5) 高等学校への追検査問題用紙等の配付 このことについては、別途通知する。
(6) 追検査受検者の面接及び特別検査 ア 面接の実施期日は、原則として上記(1)と同じとする。 イ 特別検査の実施期日は、音楽科の専攻別検査を除き、原則として次のとおりとする。 Bグループ 平成30年3月9日(金) Aグループ 平成30年3月13日(火) 上記ア及びイのほかは、第6及び第7に示すとおりとする。
(7) 追検査受検者の取り扱い 追検査の成績を含め全ての点について、一般の受検者と同等に取り扱う。
(8) 高等学校長が急病又は交通事故等やむを得ない理由により遅刻したと認めた場合は、 次のとおりとする。 ア 第1時限の検査開始時刻から15分以内の遅刻者については、第1時限のみ一般の受 検者とは別の検査場で、遅れた時間だけ終了時刻を遅らせて受検させる。 イ 上記ア以外の遅刻者については、第2時限以降は検査開始時刻に間に合った教科の み受検させ、受検できなかった教科は追検査を受検させる。
(9) 追検査について疑問がある場合は、愛知県教育委員会高等学校教育課長に問い合わせる。
これで安心だなぁと先日私はこの追試について記事を書いたんです。
この中でこんな表現で書いた部分がありました。
・・・そして病院へ行き診断書をもらう。診断書が手に入ったらそれを中学に持っていき、中学の方で申請書に診断書を添付して受験校に提出してもらう。
こんな感じじゃないかと思います。中学からの指示をよく確認しておいてください。
前日から調子がおかしかったら病院に行っておいて、前日に診断書をもらっておければ当日スムーズかもしれませんね。
この最後の1文が波紋を広げることになるのです・・・(゚д゚)!
安易に追試に流れぬように中学も高校も慎重な対応!
B日程入試前日に電話が鳴りました。
「ブログで追試の記事を読んだんですけど、追試は出来ないみたいなんでブログ記事は書き換えた方がいいですよ」という県内にお住いの保護者からでした。
なんだ?何が起こったんだ?と思って詳しく伺うと・・・
「子供が今日(入試前日)インフルになったので追試を受けることができるか中学に聞いたんです」
「中学を通して高校にも聞いてくれたみたいなんですけど、『出来ない。そのまま受けに来てくれ』って言われたんです」
(+_+)ドウイウコト?
よくよく状況をお伺いして何が起こってるかが見えてきました。飽くまでも緊急措置で準備した追試を安易に使わぬように案内をしているということでしょうね。
ここで「良いですよ~。当日バタバタしなくてもいいようにお医者さんに診断書もらっておいてくださいね~」なんて対応してしまうと追試に多くの生徒が流れてしまいます。
緊急措置で用意したこの制度が最初からおかしなことになっていってしまいそうです。
「入試当日の時点で物凄い酷い状況であるという緊急事態時のみに追試を発動したい。保護者の気持ちもわかるが、病状回復する可能性もある前日から追試受験をほのめかすことは言わない」
ということにしたんでしょう。おそらくそうでしょう。
この私の考えをお母様にお伝えして、「入試当日になっても高熱が下がらず朦朧としているという状況続くなら、医者に診断書もらって再度中学に連絡して食い下がってください。必ず対応してくれるはずです」とお伝えして電話を切りました。
確かに保健室受験についても要綱には掲載されてますからね↓
2 保健室又は病院における受検 高等学校長は、入学志願者が病気又は事故による負傷のため、学力検査及び面接当日に 指定された場所で受検できない場合には、特別検査を除き、保健室又は病院において受検 させることができる。 ただし、病院において受検させる場合は、原則として医師の診断により保健室において 受検ができないと認められ、かつ、受検の場所として病院内で個室が確保される場合に限 る。また、実施方法等について愛知県教育委員会高等学校教育課長と協議する。 なお、出身中学校長は、病院における受検が必要な場合は、やむを得ない場合を除いて、 入学願書受付締切日までに、保護者及び出身中学校長連署による申請書(適宜の様式)並 びに医師の診断書を当該高等学校長に提出する。
公平性を保つためにも、可能ならこの対応で対処したいのが高校側の気持ちでしょうね。
どんなときに追試を申し出ればいいの?
追試受験をお願いするラインは難しいですよね。
「何度だったら追試のGOが出るの?」「40度ならいいの?」「39度なら受けなきゃだめ?」「体温低いうちの子の38度を舐めんなよ」
これを中学や高校の先生が判断するのは難しいです。ではどうすべきか?
入試当日に体調不良が発覚した時点ですぐに医者です。追試も選べることを伝えたうえで医者に判断を仰ぐといいと思います。
あとは本人の意志も。「意識はしっかりしているし自覚症状も少ない。今日やらせてくれ!」って言うなら保健室受験で行くべきかもしれませんね。
まとめましょう。
急病時は入試当日に医者へ行き追試希望を申し出るかの判断を仰ぐ!
ですね。
その他の緊急事態が入試当日に起きた時にはすぐに中学に電話して相談してください。
愛知県では現在のところ追試問題の公開予定なし!
愛知と同じく今春から追試を開始した神奈川では、慧真館の岸本先生が教育委員会にお願いして追試の問題を手に入れてました。
「追試の社会は難易度が下がり過ぎててあれは問題だ」なんて岸本先生はおっしゃってましたね。
お、なるほど。確かに誰かが見たいと言わなければ誰の目にも触れぬままになることもあるかも。うち(愛知)でも聞いてみよ!
先日対応していただいた教育委員会の方にメールをしてみました。すると・・・
追検査の問題については公開する予定はありません。また、希望される方に情報提供としてお渡しすることも考えておりません。
そうかぁ~。まぁただでさえ2つの問題を作らなきゃいけない愛知は3つ目の問題を作らなきゃいかんわけですよね(◎_◎;)
いや、AとBで2つ追試を作るのか?これ恐ろしい業務量増加!これで公平性を保てとかキツイ(゚д゚)!
ちょっと様子を見守りましょう。新しく始まった追試のシステム、総じて良い方向に向かうといいですね。
当日にインフルにかかる子はこの追試で救われますが、私の耳にはこの追試に対応する高校の先生たちの悲鳴が聞こえます。
「おい!言っておくけど2点問題の採点もデラ大変になったんだからな!その上追試せいとかどうなってんねん!日本の教師の忙しさ舐めんな!人員増やせ!休日出勤手当出せ!」
キッチリ代弁しておきました(´▽`)
あっちこっち話題は飛びましたが、この追試は文科省の通達もありますし今後さらに全国的に広がっていくのではないかと思われます。
公平性の問題はあるものの、国としてセンター試験で急病での追試を実施しているのに、高校入試でそれを実施できない理由は無いと私は思います。
賛否両論戦わせながら、試行錯誤をしながら、総じて良い方に向かっていくといいですね。
今日はこのへんで。
それでは。
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國立拓治
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