「あんた宿題はもうやったの?テスト近いんでしょ?」
「ウルサイなぁ!今からやろうと思っていたのにやる気が無くなったわ!」
・・・このマンガで聞いたようなやりとり、本当に繰り広げられている家庭あります。
これはちょっとした家庭学習アルアルじゃないでしょうか。おそらくこのやりとりは古代ローマ時代からあったと私は思うんですよね。
「今の若いものは・・」なんて記述が古代ローマ時代の文献にあったなんてネットで語られていますから、おそらく「今からやろうと思っていたのに!」も相当前からあったはずです(笑)
今日はこの伝統的なやりとりを子どもとしてしまった経験がある保護者へ向けてオススメの本をご紹介したいと思います。
こちら。
大阪の植田先生@学習塾FRONTがジャケ買いをしてきたというこの本をフェイスブックに紹介してくれていたんです。
面白そうだと思ってAmazonで買ってみたのですがこれが私の中で大ヒット。素晴らしい本でした。ご紹介しますね。
この本を書いた喜多徹人さんは、高校中退したりした後に難関大を目指そうという子が多く通う「神戸セミナー」という予備校の校長先生なのだそうです。
勉強が上手く行っていなかった5000人もの生徒たちを指導してきて「学習の本質は心の問題だ」と確信されたそうです。
とても多くの生徒たちと接して現場で学んだノウハウが詰まった本ですね。
私が思うこの本の素晴らしいと思う点はですね・・
保護者の心に届くように工夫が凝らされている!
「親の子に対するアドバイス」に対するアドバイスの本ですから、この本は「著者から親に対するアドバイス」になります。
ここにしっかり工夫が凝らされているんですよね。説得力が増します。
具体的に言いますと、親から子にアドバイスするシーンを親が実際に体験するシーンに置き換えて説明をしてあります。
父親向けには「できる営業マンとダメな営業マンの振る舞い」と「通いたくなるクラブのママと通いたくなくなるクラブのママの振る舞い」を例に出しています。
母親向けには「買いたくなる婦人服屋の店員と買いたくなくなる婦人服屋の店員の振る舞い」を例に出しています。
これをイラストだったり4コママンガだったりで簡単に見せているのですが・・・説得力の破壊力が凄いなと私は思いました。
伝え方もイラストも内容もシンプル。それでいて保護者のハートにズドンと直球でメッセージが届く感じです。
耳が痛すぎて耳がとれてしまう保護者が沢山いそうだなと思いましたし、なんてわかりやす例えなんだろう、早速パクらせて使わさせてもらおうと思いました(笑)
あまり書くと営業妨害になってしまいますが、私がハッとした箇所を少しだけご紹介を。
15歳を過ぎたら子供の行動を変えることはできない
本の中で2章にあたるのですが、この章は熱い内容でした。全部紹介したいぐらいです。
頑張って要約して内容をお伝えすると、
・10歳までは子供は素直なので親が指導指示するのがいい(肯定的な)
・15歳過ぎたら本人の意志を尊重し指示はしない方がいい
・その間の年齢は微妙だが本人の意志をある程度尊重すべき
ということらしいです。
「母の中では子供は永遠の9歳」というフレーズも刺さりました。先述のとおり10歳までは親の言うことをよく聞いてくれますから、親子で共有した成功体験なんかも9歳までにあったと思うんですよね。
その時の成功体験を元に、成長して変わっていく子供に対していつまでも10歳までの接し方で親が先導して勉強なんかに介入しようとすると99.9%失敗するそうです。
この子供の変化を成長と受け入れて、親が我が子を「独立した大人」として接していくことが15歳を超えたら大切だと書いてありますね。
その中間の10歳から15歳まではその過渡期ですからサジ加減難しいですよね。我が子の変化の具合を見ながら徐々に手を離していく感じでしょうかね。
イメージは自転車に乗る練習の最終段階、補助輪を外して親が後ろから危ない時に支える感じかもしれませんね。
親の成功体験を話すことは十中八九マイナス
具体的に実感を持って話すことができるのは自分の実体験しかありませんからね。「こうしてみたらどうだろう?」と親が自分の成功体験を話したくなるのはよくわかりますが、ほとんどの場合逆効果になるとのことでした。
著者の先生自身も教師を始めた頃は同じように自分の成功体験を伝えて実行してもらおうとしたらしいのですが、この方法で上手く行ったのは100人いて1人か2人だったそうです。
親の成功体験が上手く伝わる時というのは「子供が勉強にある程度自信を持っていて、親を尊敬していて、親と同レベルの成績を目指しているときだけ」だそうです。
確かに100人いて1人2人ぐらいになっちゃいそうですよね。ほぼマイナスに働くということです。
親としてはもどかしいですよね~。我が子を思って実体験を元にアドバイスしているのに、それが逆効果になるだなんて!
「買いたい気になる店員さん像」は「勉強したくなるお母さん像」
先ほど書いた婦人服店の店員さんの例えで出てきました。
「子供に勉強させたかったら買いたくなる店員さんぐらいの距離感・接し方で子どもと接しましょう」ということですね。
わかりやすい例えです。ちょっと興味ある服だったとしても、売る気マンマンの店員にまくし立てられたらちょっと買いたい気持ちが冷めますよね(笑)
少し離れたところで様子を気にしていて、何か聞かれたりしたときにサッと対応できるようにしてくれている店員の方が心地良い人が多いのでは無いでしょうか。
以上です。
勉強への気持ちが上手く上がってこない子を持つ保護者であったり、そんな子にどう接していいものやら困っている保護者にはとてもオススメできる本です。
逆に、子どもとの風通しが良く、子供も勉強への気持ちがしっかりある家庭には必要がない本かもしれません。また違った勉強本の方がいいかもしれませんね。
飽くまで子供の勉強への気持ちが上手く上がってきていない家庭に焦点を当てて書いていますから、勉強への自信が無い子供への指導として素晴らしい内容です。
ご興味ある保護者の皆様、「耳が痛すぎて耳がモゲる!」なんていう保護者の皆様(笑)、是非読んでみてください。
あなたの子どもはなぜ勉強しないのか (そのアドバイスが子どもをダメにする) (日本語) 単行本(ソフトカバー) – 2008/8/11
塾には私が買った本を置いておきますのでお貸ししますが、耳が痛すぎる方には是非購入して手元に置いておくことをオススメしておきますね♪
今日はこのへんで。
それでは。
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國立拓治
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