OFFです。余談を。
今日も本を紹介させてください。
2年前にネット上で良い評判を見て買った本がずっと読まないままで本棚に眠ってました。その本はこちら。
「竹林はるか遠く」という題名の本で、太平洋戦争終戦直後に命からがら朝鮮半島から日本に帰ってくる母と娘2人の戦争体験記です。
ネット上で評判が良かったから購入をしたわけですが、なんといいますか表紙の感じ正直興味引く感じじゃないですよね。
裏を見てみても・・・やはりピンと来ませんでした。
言葉選ばず言うならば、「自主出版?」というようななんだか装丁から素人感が滲み出た表紙です。
そんな理由もあって2年も家の本棚に眠ってました(苦笑)それをたまたま昨日の夜に読み始めてみたんですよね。
そうしたら・・・
こ れ が 面 白 い !
面白いという表現がちょっと相応しくないシリアスな内容の本ではありますが、凄まじい引き揚げ体験を素晴らしい文章でグイグイ読ませます。
昨日は夜中に読み切りたい気持ちをなんとかおさえて寝た後に、本日あっという間に読み終えましたね。
それもそのはず、著者で主人公のヨーコさんは子供の頃から新聞社主催の作文コンクールとかで入賞していたそうです。文章力が折り紙つきです。
当時の状況が目に浮かぶような素晴らしい文章で当時の体験が淡々と書かれた本でした。
この本は・・・飲食店に例えると失礼ながら「見た目パッとしない店構えだが最高級に美味いラーメン屋」のようですね(笑)
女性目線の戦乱期の体験記としてはワイルド・スワンも素晴らしかったですが、ワイルドスワンに迫る素晴らしい本でした。
これが本当の「生きてるだけで丸儲け」
本書の中からドキッとしたところを一か所紹介させてください。(ほんの少しだけネタバレ)
命からがら日本に帰ってきた主人公姉妹は、京都で孤児のような形で生きていくことになりました。
「命からがら」なんて5文字で済ませましたが、今の子供たちの想像を超える壮絶な体験をして帰って来てますから、姉妹の姉がそんな状況でもこんな風に言うのです。
「私たちは運がいいのよ。住むところもあるのよ。しかもただで。それに料理する場所だってあるもの」
終戦直後の混乱期に生きていた当時の人は皆この覚悟で生きていたわけです。凄いですよね。自分の甘さを思い知らされます。
当時高校生ぐらいの姉が言ったこの台詞はまさに「生きてるだけで丸儲け」ですよね。言葉の重さがさんまさんとは段違いですが(笑)
本の内容は実際にあった話なのにとても良くできています。一緒に引き揚げることができなかった兄の引き揚げについての記述があって、兄が引き揚げる途中で朝鮮人家族に命を助けてもらったりするエピソードも胸を打ちます。
これは是非読んでみてほしい本ですね。
著者のあとがきにはこう書いてありました。
戦争とは恐怖そのもので、勝負はなく互いに「負け」という赤信号なのだということを私に教えてくれました。私はそのことを本書を通して地球上の全ての子供たちに伝えたい。それだけが私の願いです。
ちょっと残虐なシーンの記述がキツめなので、読むのは高校生ぐらいからがいいでしょうか?機会あれば是非読んでみてください。おススメです。
ハート出版
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2年眠らせてあった私の本は塾に置いておきますね。借りたい方どうぞ。
カエルの楽園は自分で買ってね(笑)
本の紹介でお送りしました。
今日はこのへんで。
それでは。
國立拓治
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