「受験サプリ」が世の中に浸透してきた!「勉強サプリ」はどうだ?

高校生向けの「受験サプリ」人気が広がってきた!

リクルートが手掛ける「受験サプリ」がだんだんと世の中に浸透してきましたね。

スタディサプリ大学受験講座(旧:受験サプリ)は、大学受験生を対象とした講座です。共通テスト対策から二次試験対策まで、志望校合格に必要なすべてをプロ講師の「神授業」で学べます。6教科19科目を何講座受講しても料金は定額。だから塾や通信教育を圧倒的に下回る料金で合格を目指せます。

東進衛星予備校や代々木サテラインなど大手予備校が手掛けるオンライン予備校と比較すると革命的な価格で有名講師の授業が受けられるこの受験サプリ。

全教科見放題で1ヶ月980円です。そりゃ人気出ますよね。

まぁ大学入試向け映像授業の革命なわけです。

人気の理由を改めて3つ並べてみるとですね、

①リクルートが手がけていてしっかり作りこまれていること。

②関正生先生のような著名な先生を採用して上手に宣伝したこと。

③革命的な価格で売りだしたこと。

こんな感じじゃないでしょうか。ただ安いだけではなく、

「どこの会社が作ったのですか?」「どんな先生が教えてくれるのですか?」「私の受験勉強本当にこの映像授業に頼っていいの?時間は帰ってこないよ?」

なんていう受験生の映像授業に対する不安を見事に払拭していますからね。

今や700校以上の私立高校が導入しているそうです。

リクルートサービスの受験サプリが、高校での導入実績を広げています。自発的な勉強を促す未来型の学習方法で、学校によって様々な活用がされています。塾へ足を運ばなくても、予備校講師の授業が、パソコンやスマホで受けられるというサービスです。今、導入している学校はどのような活用をしているのでしょうか。 受験サプリとは? 受験サプ...

そんな状況の中、ついに公立高校も利用するところがでてきたそうですよ。

この勢いは止まりませんね。大手予備校が近くにない地域が多い都道府県を皮切りに公立高校もこれから参加校が増えるでしょうね。

ケイタイの台頭でポケベルが無くなっていったように、大手予備校が手掛けている高額なオンライン予備校のビジネスモデルは間もなく無くなるでしょう。

小中学生向けの「勉強サプリ」も広がっていくかというと・・

さて、リクルートはこの「受験サプリ」を発表してしばらくしてから小中学生向けに「勉強サプリ」という映像授業サービスも始めています。

受験サプリと同じくリクルートが手がけていてしっかり作りこまれていて、著名な先生を採用して上手に宣伝していて、革命的な価格で売りだしています。

しかし、「受験サプリ」が大学受験を目指す生徒たちを集めたのと同じようには「勉強サプリ」は上手く行かないんじゃないかなぁ?と私個人は思っています。

では勉強サプリが上手くいかないんじゃないかと私が思うダントツの理由を1つ書いてみますね。

小中学生は大学受験を目指す高校生ほどモチベーションが高い子ばかりではない!

です。

フィットネス業界に例えると、こういった映像授業というのはビリーズブートキャンプのようなものだと私は思います(懐かしい)

ビリーズブートキャンプとは一世風靡したビリーが指導するフィットネスDVDですよね。あれはフィットネスへのやる気に満ちた人にだけ効果的です。

どんな環境であれ心の内に灯る炎をともしびにガンガン1人でフィットネスができるならば、ビリーズブートキャンプは安価で素晴らしい教材です。

大学を目指す高校生は自分の意志でその進路を目指していますから、基本的に心の内にやる気の炎が灯っているのです。

そんな高校生たちですから受験サプリは眠気とか遊びの誘惑とかにやられること無く効果が出るのではないかと。人気も出て広がっているのではないかと。

それに対して小中学生。義務教育ど真ん中の彼らは勉強はキホンやらされています。「高校ぐらい出ておかないとね」なんていうセリフを大人から浴びて、心の内に炎が赤々と灯っていない状態で勉強している子も沢山います。

そんな子たちが勉強サプリで勉強を進めるというのは、あまり痩せたくない人がビリーズブートキャンプに取り組んでいるようなものです。

「やめとけって。意志弱いんだからDVDなんかじゃ無理だって。フィットネスジムとかライザップとか行きなよ」

なんて突っ込みたくなりますよね。

同じことが小中学生の勉強サプリに言えるかと。

「やめとけって。意志弱いんだから映像授業なんかじゃ無理だって。塾とか行きなよ」

では小中学校や塾で勉強サプリを採用して学校で先生主導のもとで使用していけば良いかというと・・やはりまだイメージがつきませんね。

モチベーションが高くない子たちが映像授業の画面を大人しく見続けること、映像の指導内容を理解しようと見続けること、睡魔と戦って連戦連勝すること、どれも難しいかなと私は思います。

「モチベーションが高い子ばかりではない」ということが大きな足かせになって、小中学生に映像授業が普及するのはまだまだ先じゃないかなと私は思っています。

実際に映像授業を中心とした塾もありますが、まだ塾の指導の主流とは言い難い状況です。良いことづくしならばもうとっくに映像授業塾が塾の主流になっているはずです。

小中学生向けの塾というのは「誘惑を絶って勉強をする雰囲気」を提供しているという部分が大きくて、人対人だからこその部分が大切なのかなと。

このモチベーションの部分が解決しない限り、どれだけ映像授業が広まっていっても小中学生向けで人が直接指導する塾はまだまだ必要なんだろうなと感じてます。

・・なんだか話が逸れたでしょうか(苦笑)

勉強サプリが広まっていくかどうかという話でしたが、私は上記の理由で「勉強サプリは簡単に広まっていかない!」というのが今の想いです。

偉そうに書いてみましたが、私が思っているような問題点が解決していって学校や塾で映像授業を取り入れる素晴らしいモデルパターンが出てきた時には、節操無くマッハで映像教材を取り入れますけどね(笑)

受験サプリの躍進と勉強サプリの今後について思うところを書いてみました。

FBでお友達になった埼玉県の関口先生@つばめ学院も同じ話題で本日ブログを更新されてますのでどうぞこちらも♫

今日はこのへんで。

それでは。

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國立拓治

愛知県岩倉市と兵庫県伊丹市にあるさくら個別指導学院の塾長。2005年より愛知の中学生親子の力になれるよう当ブログを日々更新。月間最大50万PV。拙著「くにたて式中学勉強法」は12刷重版!著書累計は6万5千部突破!休日は余談も発信!3度の飯より飯が好き。詳しいプロフィールはこちら。