OFFです。余談を。
少し前に名古屋市内の中学校で2年生の生徒が火傷をする事故がありました。
火傷はキャンプファイヤーで実施されるトーチトワリングの火をつけた練習でです。
まずもって愛知県外の方にはトーチトワリングが伝わりませんよね。以前記事として書いたこともあります。こちら↓
今回の事故について動画もあるニュース記事はこちら。(しばらくしたらリンク切れると思います)
動画がYoutubeにあがってました。
生徒がひどい火傷を負ってしまったようです。二度と起こしてはいけない事故です。
教育社会学者の内田良さんは、こんなことが二度と起こらぬよう、今後トーチは辞めるべきだという記事を最近書かれていました↓
さて、私は実際に中学、高校の野外学習時にトーチトワリングをやり、大学ではキャンプカウンセラーサークルに所属していて、1年に2~3回はトーチトワリングを行ってました。
そんな私から、今回のこのニュースを見て思ったことをいくつか書かせてください。まず自身のトーチの体験を。
キャンプファイヤーって?トーチトワリングって?
まずはトーチトワリングっていつから?そもそもキャンプファイヤーって何?なんてことをネットで改めて調べてみました。
キャンプファイヤーについてはウィキペディアより
キャンプファイヤーは「親睦の火」や「儀式の火」とも呼ばれる親睦の儀式である。儀式の細かい内容は様々であるが、儀式的な要素を用いて徐々に火の世界を作り上げる。盛り下がりは神聖さを重視し、雰囲気に重点を置く。キャンプファイヤーの最後は火の神の言葉を拝聴し、友情の火の誓いを立て、終了とすることが多い。
その歴史については
この呪術的かつ宗教的な儀式は火の神への崇拝が起源であるが、発祥地および宗派や呪術の流派といった起源は不明である。
火を囲んで、『オクラホマミキサー』などでフォークダンスをするキャンプファイヤーはアメリカ合衆国が発祥である。
日本には戦後、連合国軍最高司令官総司令部 (GHQ) により持ち込まれ、学校教育の中に取り込まれた。1970年代ごろまでは多くの高等学校や大学で学園祭の後などに実施されていたが、騒音や風紀、防火などの理由から徐々に行われなくなり、現在では学校の敷地内で火を焚く例はほとんどみられなくなった。
火の神が出てきたりとちょっと宗教的な部分ありますね。日本にはGHQによって戦後に持ち込まれたとか、なんだか興味深いです。
アメリカ生まれとすると、ネイティブアメリカンの儀式とかがもしかしたら源流にあるやもしれませんね。
学園祭の後に校庭で火を炊いたりするのは愛知でも一部の高校で残っていますね(旭丘とか丹羽とか)
そして今度はトーチトワリングについて。こちらは名古屋テレビが数年前に特集を組んで情報番組で放映したようです。そのサイトから↓
愛知キャンプカウンセラー協会の山本さんによると、1960年代に蒲郡のキャンプ場でおこなったのがトーチトワリングの始まりだそうです。キャンプファイヤーに点火するとき、ある先生が愛知県が発祥の手筒花火の点火をヒントにして×の字に振り回してからつけたところ、生徒たちが大変感動し、そこから恒例になりました。その後、新体操の種目であるこん棒や、ポリネシアンのファイヤーダンスなどの要素を取り入れ、1970年代後半から、多くの学校に広まったようです。
愛知発祥で学校ではほぼ愛知のみで行われている取り組みのようです。それが証拠にお隣の岐阜や三重の中学で行われていないとか。
トーチトワリングは蒲郡で1960年頃から。古くからあるんですね。知りませんでした。確かに私が中学生だった1980年代後半にはもう公立中学に浸透してました。
私は大学時代にキャンプカウンセラー団体にいたのですが、こういった団体って教職目指す教育大の学生が多かったです。
団体によっては年齢制限無く活動が続くところもありますから、現役教師が現場から持ち帰って、愛知県の各キャンプカウンセラー団体で進化してきたのかもしれません。
私自身のトーチトワリング体験
1988年、中2のときです。野外学習でトーチトワリングをする生徒を各クラスから1人募集をしていました。
キャンプファイヤーの時に火を回す役だとか聞いて、興味あって立候補をしたのだと思います。
この時に覚えていることはあまりないのですが、実際の本番でそんなに難しい技を行わなかったということでしょうか。これぐらいまで↓
(今回の事故の技は『眼鏡』なんて呼ばれる技で、両手首のスムーズなスナップの返しが大切になってくるそこそこの難易度の技です。この技はそのときやってないと思います)
練習と本番と2回火をつけました。耳元でゴウゴウと音を立てる火に緊張をした覚えはありますね。
全日大雨となった野外学習で、せっかく練習したからと、雨の中で回した記憶あります。
1990年、高1になり、学年の親睦を高めるための野外学習が入学して早々にありました。なんでもまたトーチトワリングをするとかで、今度は各クラス2名。10クラスあったので20名での実施。希望者の募集がありました。
中学の時に身につけた回す技術がありますし、言葉選ばず言うと楽しかったので、また立候補しました。同じクラスの本間君と共に(´▽`)
中学の時同様に練習をしてから学校で予行で火をつけたような気がします。このときも難しい技はしませんでしたね。
車山高原のキャンプファイヤー場で20人で並んで回しました。中学で5人で回したときとは比にならない迫力。
虫の鳴き声しか聞こえない静かな山の夜に、皆が回すトーチの火の音がゴウゴウと聞こえました。
キャンプファイヤーの儀式の一部のような、厳かな雰囲気だったように思います。
無事に終えたあと、「お前ら頑張ったから風呂最初に入れ」なんて体育教師が言ってくれたことを覚えてます。とても暑い日でしたね。この日のことも忘れません。
1993年。私は愛知県内の大学に入学してたまたまキャンプカウンセラー団体に所属することとなりました。
そこでトーチトワリングに再度出会うのです。本格的に取り組むことになるのです。
当時はまだネット環境無く、基本先輩からのキャンプの技術は書物と口伝がキホンです。
トーチトワリングの書籍など出てませんから、トーチも先輩から直接指導でトーチ棒の作り方から様々な回す技術まで教わりました。
近くの公園で皆で練習をしたり、家に帰って近くの公園で練習をしたり、トーチトワリングはやりこみましたね。
この動画の上級ぐらいまで回していたように思います。(そもそも口伝なので、団体の先輩の知ってる技の種類が上達の上限でもある)
実際に回す時の恰好はキャンプカウンセラー団体なので安全対策は万全。
綿100%の厚手の長袖シャツにGパン着用、燃える可能性を限りなく下げるべくシャツはGパンにイン、頭はバンダナで完全防備です。
うっかりこの恰好を忘れてTシャツで回そうものなら先輩にド叱られたものです(´▽`)
トーチに灯油を染みこませるタイミングは実際に回す2時間とか前だったでしょうか。あまり早く染みこませると灯油が気化してしまうんです。
これが難しかったですね。あまりに灯油が染みていないと、回している途中で消えてしまうのです。下の動画右奥の子はまさにこの状況。最後に火が消えてしまってます。
この状況にならぬようにと、ダクダクに灯油をかけ過ぎてしまうと、今度は火が大きくなりすぎて危険です。
トーチの先端があまりにビタビタであると、誤って身体にぶつけた時に危険なのです。したるぐらいの灯油は衣服にべったりと着き、そこに火が付く可能性がありますから。
これを避けるべく、たっぷりと灯油を染みこませたあと、回す直前に火をつけない状態で空回しをして余分な灯油を飛ばします。
この灯油の加減がちょっと難しくて気を使いましたね。
私は何度かやって程よい具合を体得しましたが、初心者で火の燃え具合わからないと心配で灯油をつけ過ぎることがありましたね。
こんな事前準備を経て、当時私は子どもたちの前で何度もトーチトワリングをしました。
キャンプファイヤーの締めくくり、真ん中の火が鎮火して厳かな雰囲気の中で、最後の儀式としてトーチトワリングは行われました。
1人でとか、何人かと揃えてとか、音楽をかけてとか、いろいろな形態で。時代を感じますがかけた音楽はマイラバの「ハローアゲイン」とかでしたね(^^)
京都の大文字焼を穏やかな気持ちで見るような、打ち上げ花火を感動して見るような、そんな感動をトーチトワリングは見る人に与えます。
私にとってトーチトワリングというのは、全て良い思い出として記憶されているものです。
だから今回の事件は余計に悲しいですね。
長くなってしまいました。また明日続きを書かせてください。まだ書く(゚д゚)!?
明日は今後のトーチトワリングについての私の意見についてです。
今日はこのへんで。
それでは。
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國立拓治
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