中高大とトーチトワリングをしてた愛知県民の私がトーチ事故について書く

OFFです。余談を。昨日の続きですね。

昨日は「トーチトワリング練習での名古屋の中2生火傷事故」を受けて、私自身の中高大のトーチトワリングの体験について長々と書きました。

今日書きたいことに繋がるように布石を打ちながら。

昨日のトーチ体験内容を端的に書くと、「トーチトワリングは感動するし楽しかったし良い思い出」ですね。

よかったら読んでみてください↓

OFFです。余談を。少し前に名古屋市内の中学校で2年生の生徒が火傷をする事故がありました。火傷はキャンプファイヤーで実施されるトー...

で、これを受けて、今回の事件を受けて、今後のトーチトワリングについて私が思うことを書かせてください。

実際の指導現場では無い私ですが、実際にトーチをやってきた経験ふまえて勝手に書かせてください。

まず、昨日もご紹介した事故の動画を再度見てみます。

まず、動画で挑戦している技は「メガネ」なんて呼ばれる技で、身体の前と後ろで左右に円を描く技です。

左右同時に手首のスムーズな返しが必要なそこそこ難易度のある技ですね。

指先を支点としてなるべく身体の近くでトーチを回転させなければ、回転が安定しません。

片手ずつで正確に回すことが出来ていても、左右同時に動かすことになった途端にうまく回せないことあります。

この映像は当日を想定した火をつけた予行練習だと思うのですが、よく見てください。火をつけているのは右端の3人ぐらいだけですよね。

中央の子は半そでなのでギョッとしたのですが火がついていません。

どんな状況なんでしょうね。一気に全員の火をつけると不慮の事態に対応しきれないので仕上がり具合に合わせて少しずつ火をつけたんですかね?

練習で仕上がりが良かった子から先に火をつけたのか、それとも、仕上がりが遅かった子が遅れて今回で火をつけているのか?

あとは最前列左の男の子、右手だけで回しています。左手にはトーチを持っていません。推測するに左手で上手く回せず完成していなくて、右手だけでやろうという流れなのかなと。

そんな気遣いができるのだから、トーチ指導の手を抜いていたわけでは無さそうだなとも見れます。

さて、衣服に火がついてしまった子は技「メガネ」が上手く回せていません。教師の言うように練習不足でしょうか。

全く回せない状況であるならば、片手で回していた子のように別対応があったと思うので、普段はある程度は回せていた可能性もありますけどね。

今回は生徒にとって初めての点火体験でしょう。トーチを作り直さなくてはいけないので、本番前に何度も点火することはありません。

実際にトーチに火をつけると練習時とはいろいろ違います。まずトーチの重さ。トーチ先端に灯油が染みこむことでズシッと重みが出ます。

そして熱。顔の横を通る時に熱気を感じます。さらに音。火の音がゴウゴウと耳元で聞こえてきます。

そんな様々な違いに面喰ったのもあるのか上手く回せていませんね。とくに顔の前で回す時に不必要に遠くで回してしまっています。

そのせいでか左右のトーチが前でぶつかってしまって、トーチの軌道が乱れてしまったのです。

・練習の時と火をつけた時のトーチの違いに驚いていつものように回せなかった。(そもそもの練習不足もあるやも)

・化学繊維の混ざった可燃性の高い服装での点火を教師が許してしまった(チェックしていなかった)

・トーチに必要以上に灯油がついていて、衣服への着火に繋がってしまった(※推測)

こんなことが重なって今回の事故に繋がってしまったのではないかと私は思います。1点目は想定の範囲内で防ぐことは難しいですが、2点目3点目は教師の対応で防げたはず。

防げた事故だと動画を見ても思いました。

(追記 事故の生徒の父へのインタビューで、回していたら灯油が手に垂れてきたなんてことを話してました。しっかり事前に空回ししていたらそんなことありません。推測通り、余分な灯油を切る空回し作業を行っていない可能性がとても高いです)

で、今後のトーチトワリングについて「危ないから辞めさせろ」なんて意見もツイッターでは出てますが、

私の思うところは・・・

安全対策を施してトーチを続けてほしい!

ということです。

実際にトーチをやる側、指導をする側にも立ったことがある私からの意見として、安全対策万全の恰好であればこの事故は防げたと思います。

今回の事故は綿100%の衣服でとの指定なのに化学繊維の入った服を着てのトーチを許してしまった教師の責任であると思います。

(トーチに染みていた灯油が多すぎて、ぶつけたときに衣服に灯油が多分に染みこんでしまったという運営側の準備不備もあったのではないかとも推測してます)

安全に取り組めないからという理由で、このツイートの方の例のように、教師が毅然とその日の予行練習をさせない対応すべきだったんです。

指導側が安全対策を怠ったことが今回の原因であって、事故後の教師の発言や学校の対応がまずくてここまで話題になりましたが、この事件を発端としてトーチトワリング自体を辞めさせようというのは私は違うと思うのです。

今回の件が大きな事例の1つになってしまいましたが、過去のトーチトワリングでの怪我の数的なデータが公のデータとしては見つからないようです。

(単発で事故の記事は調査とともに見つかっているようですが、まとまった統計データは存在していないようです)

組体操での怪我は年に5000件、跳び箱での怪我は小学生だけで年に1万5000件、そのうち骨折や靭帯損傷を伴う大きな事故は6000件。そんな記事をネットで読みました。(2015年のデータだそうです)

小中学校の運動会で行われる「組体操」をめぐり、各地の自治体が安全対策に力を入れる一方で、年間で組体操の2倍以上の事故が起きている「跳び箱」の危険性には、あまり関心が集まっていない。日本スポーツ振興センター(JSC)の調査によれば、2015年度には跳び箱による事故は小学校だけで1万4887件起きている。そのうち骨折や靭帯...

有無を言わさず全員参加の組体操や跳び箱では毎年5000件を超える怪我の報告があって、跳び箱では高校生での死亡事故まで。

対して希望者がクラスで1~2名取り組むトーチトワリングは50年の歴史で怪我の数がわかるデータが見つからないという事実。

(愛知だけの取り組みですし、50年でもトーチ実施の総数が少ないのももちろんあると思います)

火を扱うからこそ、やる方も指導する方も注意を払って取り組んできたからこそ、トーチによる怪我の数値データが見つからないのではないかと思っています。

(クドいですが事故自体は過去にあり、事故の記事も見つかってきてます。毎年の事故の数の推移を統計として残すほどのボリュームではないからかと私は推測してます)

今回の事故はずっと大きな事故がなかったので、だんだんとトーチの安全対策が全体的に緩んでいってしまった結果でしょう。

表に出ていないヒヤリハットが沢山あって、報告規模では無い小さな怪我があったりしながら、ついに大怪我として出てしまった。

だからしっかりと反省をして、再度安全対策をしっかりと施して、例年通り希望者を募って、トーチトワリングを続けてほしいなぁと、超外野ではありますが思います。

(追記)先生頼みで行うにも限界あるでしょうし、先生の多忙、先生の不足の問題も絡んでいるでしょう。部活の外部指導者を検討するように、トーチも外部の指導者に依頼するという解決策も良いなと、SNS上で他の先生と話してて思いました!市邨のトーチ部は中学に指導に行ったことあるみたい(^^)

私はトーチトワリングに良い思い出しかありませんからね。是非今の子たちにも経験して欲しいと思っています。やる方、見る方どちらでも。

だから安全対策を施して安全に取り組んで欲しいと思っています。

「トーチを辞めさせろ」という意見を見る中、「安全にやれ」という意見を見なかったので、超外野ですが「安全にやれ」と書いてみました。

(追記の追記!8月17日朝の発表!)

対応早かった!初動として素晴らしい!さて、ここからです。今後どうしていくかをじっくりと検討してほしいです!

長々と余談でお送りしました。

今日はこのへんで。

それでは。

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國立拓治

愛知県岩倉市と兵庫県伊丹市にあるさくら個別指導学院の塾長。2005年より愛知の中学生親子の力になれるよう当ブログを日々更新。月間最大50万PV。拙著「くにたて式中学勉強法」は12刷重版!著書累計は6万5千部突破!休日は余談も発信!3度の飯より飯が好き。詳しいプロフィールはこちら。