前回までのあらすじ
未来を変えるため50年後から来たという自分自身から勉強を学ぶことになった、岩倉中学3年サッカー部の拓海。学校帰りに近所の公園で教わることに。タイムリミットは7日間、爺さんと拓海の7日間勉強の3日目が始まる。
「おお、拓海。待っておったぞ・・・イテテ」
五条川の南側、田んぼの真ん中にある長瀬公園は比較的新しい公園。足つぼを刺激するコーナーで悶絶した表情で爺さんが迎えてくれた。
「誘惑と戦わず勉強やれとるか?」
「まぁまぁかな。6勝1敗ってところ。1日だけ遅くまでスマホゲームやっちまって勉強できんかった。」
「まぁ良い、一気に完璧にはならん。意識できるように出来なかった日を数えるようにしておけ」
習慣4 正しく覚える!
「今日からようやく具体的な勉強内容に入っていく。サッカーで言うとようやくボールを蹴る練習に入るってことじゃな」
「今日伝える4つ目の内容は勉強法全体を100%とするとこの習慣の重要度は10%を占める。具体的な勉強方法の1つ目じゃ」
「4つ目の内容は『正しく覚える』。勉強が得意なやつとダメなやつはこの部分から圧倒的に差がつく。正しく覚えていくぞ」
「正しく覚えていくための具体的な作戦を伝えていこう」
「勉強はな、簡単に言うと『覚える作業』と『問題を解く作業』の2つだけじゃ。そして、この作業の中でできなかったものをできるようにしていくのが勉強じゃ」
「では今日教えるこの覚えるという作業じゃが、拓海、賢いやつらはいつ覚える作業をやってるか知ってるか?」
「え、テスト前じゃねーの?テスト範囲出てからガーって気合で」
「それはいつもボロクソの結果を持って帰ってくるお前の勉強法じゃろ。違う違う。学年TOPのやつらはどのタイミングでやっているかと言うと・・・」
「学校の授業中じゃ。学校の授業中で大半覚えきっちゃうんじゃよ。勉強しなきゃいかん授業のときにしっかり勉強だけしてるんじゃ」
作戦1 学校の授業中に覚えきれ!
「理想を言えばな、授業の予習とか復習とか自主的に家でやれればベストじゃが、そんな中学生は学年で10人もおらんじゃろ。中坊は日々忙しいぞ、勉強に部活に遊びに全てに」
「理想ではなく拓海みたいな普通の中学生ができそうなレベルで伝えるからな。学校の授業をしっかり聞いて、先生から出される課題に真剣に取り組め。それだけでいい」
「通知表の「意欲関心態度欄」にもプラスになるし、テスト前に無駄に長時間勉強する必要も無くなる。一石二鳥どころか三鳥以上じゃ」
「勉強が得意なやつらのテスト前は覚える作業に時間を割いてないんじゃ。理由は今言った通り。普段の勉強である程度頭に入ってるからじゃ」
「やつらのテスト前の覚える作業と問題を解く作業の割合は目安2:8じゃ。賢い奴らに聞いて回ったんで間違いない。だいたいこんな割合じゃ」
「覚えておけ。学校の授業中に居眠りしたり、友達と喋ったり、くだらん手紙を書いて回したりとかするのはテレビドラマやアニメの中だけじゃ」
「あれを普通と思って真似すると、そのドラマの主人公みたいにクソみたいな成績になるんじゃよ。そして得意なやつらはそれを知っておるんじゃよ」
「なるほどなぁ~勉強得意なやつらもそれを知ってるなら教えてくれればいいのにな。そう思わん?爺さん」
「じゃあ質問です。それを学年TOPのやつらに言われて、拓海は素直に真似できますか?・・・真似しない。流すの・・・といったところじゃろ」
「そうか、確かに俺も聞く耳もたねーわな。勉強したくないやつにそんなこと言ってもしゃーないわな。パクチー苦手なやつにパクチー勧めるようなもんだわ」
「まずはやつらのマネをしてみろ。板書ノートはそこで覚えきるつもりで刻みつけろ。あとで確認したかったら重要な語句はオレンジペンで書いておけ」
「どの教科の教科書もな、学校の先生の授業があることを前提に作ってあるから、後で一人で読んでもわかりにくいに決まってる」
「理科の教科書には実験の結果とか書いてないし、国語の教科書だって話が掲載されているだけだ。後で一人で教科書を読んで勉強するのはその時点でかなり不利だ」
「恐ろしく当たり前のこと再度言うが、学校の先生の指示をしっかり聞いて出してもらう課題を全力でやりきれ。これができないと時間はどれだけあっても足らんぞ」
作戦2 言えるようになってから書けるようにする!
「この作戦は完全に暗記しなくてはいけないようなものを想定してのものじゃ。英単語や漢字、1問1答形式の社会のプリントなどじゃ」
「忙しい中坊にとっての最大の敵はいつも時間じゃ。時間を大切にしなくてはならん。ムダな時間を削ぎ落とし、一直線で暗記するぞ。拓海、お前は英単語をどうやって覚えておる?」
「まずは全ての単語をノートに2行フルに埋めて書く。そこからテストをしてみて、間違えたやつを再度2行フルに埋めて書く。これを繰り返して完璧にしていくぜ」
「そうそう、それそれ。それは絵に描いたようはダメな覚え方な。時間がどれだけあっても足らんやつだ」
「いいか、時間とやる気が湯水の如く際限無くあるときだけ使っていい作戦だが、そんな日は一生来ない」
「限られた時間の中で、減りゆくやる気(集中力)がゼロになる前に完成させなくてはいかん。今から言う方法をよく聞いておけ。」
「『できないものをできるようにすること』が勉強ってさっきも言ったじゃろ」
「これを目指し、最初にできないものだけを探すために最初に口頭で自分でテストをしろ。最短の時間でできる問題とできない問題が分けられる」
「ちなみに鉄則じゃが『読めないものは覚えられない』から、英単語も漢字も読めないものあれば最初に調べるなり聞くなりしろ」
「この口頭テストでできたものは練習をやらんでいい。ここ大事な。書く練習するまでもなく書けるのも書かんでいい」
「で、口頭テストでできなかったものをまず口頭で覚えろ。全て口で言えるようになったら、あとは不安な漢字とか綴りを少し練習すればいい」
「次に口で言えるようになったものを書く練習な。例えば、3回書いてみて、4回目をやるときに最初に書いた3回を手で隠す。何も見ない状況で4回目をマイテストとしてやってみる」
「書けたらクリア、書けなかったら再度追加3回練習してみろ。練習回数は自分で調整しろ。時間かけぬよう最大7回までにしとけ」
「書けるようになることを意識して練習できるようにマイテストを入れるんじゃ。ぼーっとしているとノートを埋めることが目標になるヤツいるからな」
「最後に仕上がったかを確かめるために全てテストしてみるといい。短時間で全てが仕上がるはずじゃ」
「それにしてもスゲーな爺さん、スラスラといろんな作戦が出てくるもんだな」
「なぁに、知り合いの塾長から覚え方をパクっただけじゃ。マイテスト作戦は茨城の先生からパクってきておる」
「言ったじゃろ?良いと思ったらなんでもマネしていくんじゃよ」
爺さんは上機嫌で言葉を続ける。気分良くなってきて声が高い。
「エー、あとはじゃなぁ~」
後編に続く
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実はちょっと書く内容まとまらず、このお話の更新が滞ってました。「覚える」ということをシンプルにまとめきるのは難しいですね^^;
また探り探り書いてみます。この記事も後で加筆修正するかもです(^o^)ひとまず再開しておきました♪
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國立拓治
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