「こりゃ高い服屋に行ったときの俺と一緒だわ」
そう思い直し、体験生たちを見送りました。
昨日は6講の時間に体験授業で2名の生徒がやってくることになっていました。
体験授業の10分前頃、その2人の生徒が現れました・・・が・・・
顔つきは険しく2人とも両手はポケットの中に入っています。少しきょろきょろする感じでしょうか?
「おお?!どうした?どうしてそんな表情だ?」これは心の中での私のリアクションですw
(人と話すときはポケットから手を出す)という礼儀を恐らく子供たちは知らないでしょうから初対面ではありましたが、落ち着いて伝えました。
「まずポケットから手出そうか」
すぐに同級生たちが2人に話しかけに来てその子たちは表情が和らぎました。
分からないところを質問してくれたり、良いリアクションで先生と会話をしたり、傍目ではいい雰囲気で体験授業を終えましたね。
来た時とは一転、爽やかに「ありがとうございました」と挨拶をしていきました。
はて・・・これは・・・?このギャップはなんだ?来た時のあのリアクションはなんだったんだ??
思い当たるのは服屋に行ったときの私自身のリアクションです。
三度の飯より服が好きな大田先生に連れられて、私はいろいろな服屋に足を踏み入れることがあります。
ユニクロやZARAぐらいはへっちゃらですが、服の値段が上がってくると少々緊張します。
tomorrowlandぐらいの店になると店内の雰囲気が変わってちょっと心拍数上がります(笑)
一番緊張するのはミッドランドスクエアーの3階とかに入ってる高級セレクトショップですね。
私ごときでは聞いたこと無いセレクトショップで、いちいち笑えるぐらい高い値段の服が優雅に置いてある店たちです。
そんな店に足を踏み入れると、私は無意識に腕組みをしてしまっているんです(笑)
何かの心理学の本で読んだことがあるのですが、これは完全に「防御姿勢」の現れですよね。
「店員よ、ゴメンけどここで多分服は買わないよ。どうか私に話しかけるんじゃない」という心の声が姿勢に漏れ出てるんですよね(笑)
「ここが自分に相応しいかどうか不安だな」とか「舐められたくないな」とかいろいろ思う気持ちが、険しめの顔と腕組みという態度に出ちゃうんでしょうね。
あまり足を踏み入れない場所は緊張が高まるものです。
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さて、体験生2人の登場シーンを思い出します。
2人とも塾は初めてとのことでした。親とか友達とか同伴者がいるわけでもなく塾デビュー戦を2人だけで塾の扉を開けて入ってくるわけです。
初めての場所、嫌いな勉強をする場所、とても緊張するけどそんな素振りを見せるわけにはいきません。同級生も沢山いますから。
中学では元気にはしゃいでいるのに、塾に来てビビってるなんて思われるわけにはいきません。思春期ど真ん中、現役男子中学生ですから(心中勝手に想像w)
意を決して2人は塾に入って来てくれました。防衛本能がさっそく働きます。両手はポケットに深く入っていました。防御姿勢ですね。
思い返せば両手には力が入っていたかもしれません。表情はニコニコするわけでもへらへらするわけでもなく、どこか不機嫌なような表情。
そう、おそらくこれも防御姿勢。同級生たちがいる中おどおどするような素振りは出せませんし、ニコニコ爽やかに挨拶するには同級生と2人で来たというのが足を引っ張ります。
お互いカッコ悪いところとか、学校と違うところを同級生はもちろんのこと、一緒に来た友達にも見せたくなかったのかなと。
私はさらに想像を膨らませます。
もしも私が服屋に慣れている大田先生がいない状況でミッドランドスクエアーにある高級セレクトショップに突入したならば・・・
心拍数は最大。緊張は高まるだけ高まります。
意を決して店内に一歩踏み入れたならば・・・
200%腕組みをしますね(笑)顔は苦虫を口いっぱいほうばった不機嫌な顔で(笑)
防御姿勢バリバリの挙動不審な客になるでしょう。えぇ、なる自信しかありませんw
ポケットに手を入れて不機嫌そうな表情でやってきた男子中学生たちでしたが・・・
「こりゃ高い服屋に行ったときの俺と一緒だわ」
そう思い直し、体験生たちを見送りました。
帰り際は2人とも良い表情でしたね。ご縁があるといいです。
今日はこのへんで。
それでは。
國立拓治
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