愛知県は私立高校の一般入試は最大3校受験出来ます。受験日程が3日間と設定されているのです。
「昔ッから決まっとる」ですね。(このセリフわかる人は私と同年代でしょう)
で、実際生徒たちは何校受験をするのか?ということなんですが、これが地域によってトレンドがあるなぁと思ってですね、今書いているところです。
欧米人のように結論から先に書いておきます。
愛知県私立高校の受験校数は「三河<尾張<名古屋」の順に多くなる傾向がある!
ですね。異論は少し認めます(笑)
これは塾に配付される愛知全県模試の追跡調査資料「公立高校1校受験者・私立高校併願受験校数一覧」を見てて気が付いたのです。
名古屋市内の公立TOP校を受験する生徒は3校受験する子が多いなと。
尾張郡部の高校を受験する生徒たちは自塾でずっとずっと見てきましたが、2校受験する子が一番多いなと。
三河は圧倒的に1校受験の子が一番多いなと。
順を追ってデータ見てみますね。
名古屋市内公立TOP校を受験する生徒は3校受験が多い!
先ほどご紹介したデータ見てみます。名古屋市内TOP校各高校で何校受験をする子が多かったのかを。校数とそのパーセンテージを添えて並べてみますね。
データは全て2023年春データより。
旭丘高校 3校受験53.3%
明和高校 3校受験77.8%
向陽高校 2校受験50.0% 3校受験41.7%
菊里高校 2校受験48.1% 3校受験44.4%
瑞陵高校 2校受験56.3% 3校受験31.3%
千種高校 3校受験50.0%
桜台高校 3校受験50.0%
こうして見ると結構2校受験の数と競りましたね(苦笑)7番手の桜台を急遽投入したのは、3校受験を多くしたかったからですww
この理由はある程度予想してます。
「難関私立高校はどこも当日点勝負のガチ受験だから」
「TOP校が名古屋中心地の高校で私立も選択肢が潤沢にあるから」
「TOP校を受験するご家庭が経済的に裕福な家庭が多いから」
じゃないかと。
難関私立は当日点勝負のガチ受験で、「完全な滑り止め」が無いので可能な限り受験校数を増やそうということじゃないでしょうか。
3校受験をして私立のどこが合格するかで公立の受験校を決めるなんて展開もあるでしょう。
(私立も選べる経済力と家から3校とも通える自宅立地に支えられて!)
こうした背景があって、滝やら名城やら中京やら名古屋やら、難関私立を何校も受験する展開が多いのだと思います。
少し前の話になりますが、先輩塾長の石橋先生@エストスーパースクールが、「本人(お子さん)の私立2校受験希望を押し切って3校受験させた」なんて仰っていたのを思い出します。
石橋先生は名古屋市内在住で、お子さんは公立TOP校志望でしたからね。私の説はあながち間違っていないのではないかと感じてます。
ちなみに、名古屋市内であっても中心部ではなく端にある公立校を目指す生徒は近隣の私立の数も減ってくるので私立受検校数も減りがちです。
また、偏差値が下がるにつれて受験校数が減るという傾向もあります。このへんは基本として知っておいてください。
尾張郡部の公立高校を受験する生徒は2校受験が多い!
これは塾で指導するようになって四半世紀超えますが、尾張郡部はずっと変わらず2校受験が多いような気がします。
いや、20世紀の頃は3校受験ももっと多かったっけな?このへんは地元の塾長仲間にも確認したいです。
名鉄犬山線沿線で岩倉から通いやすい尾張郡部の公立高校を挙げてご紹介を。
一宮高校 2校受験61.5%
西春高校 2校受験81.8%
江南高校 2校受験66.7%
一南高校 1校受験63.6% 2校受験31.8%
牧南高校 2校受験63.2%
尾北高校 2校受験55.6%
3校ではなく2校受験が多い理由は明確です。名古屋の中心地ほど私立高校の数がありません。
「何校にしようか?」と選ぶ余地は少ないです。
自宅から通うことを考えるとこの2校しかないでしょうといった感じかと。
そして高校のレベルが通知表で言うとオール3近い高校から、内申で原則合否をつけるような高校が増えて来るからです。
すると、「番狂わせの無い完全な滑り止め校」を受験することになるので、3校受験をするまでもなくなります(これはもちろん名古屋市内も同様ですけどね)
このへん(実は高校によっては内申で原則合否をつけてる)は大っぴらには中学校も言いませんよ。
内申で合否を決めるような高校を受験している家庭であれば、「もう1校滑り止めで追加で受験したほうがいいですか?」なんて質問をすれば、「2校で良いと思います」なんて中学校が止めてくれることでしょう。
名古屋市外の郡部なのにレベル別で2校受験が出来るなんて、全ては濃尾平野のおかげです。
名古屋から放射線状に伸びる鉄道と自転車通学も可能な果てしない平野。
「エジプトはナイルの賜物」、「尾張郡部の私立2校受験は濃尾平野の賜物」ですね。
三河の公立高校を受験する生徒は1校受験が多い!
さて三河です。三河は私立高校の1校受験が圧倒的です。
データには三河の高校が34校掲載されていましたが、33校までが1校受験が最大数でした。
三河最上位校だけ掲載しておきますよ。
岡崎高校 1校受験87.5%
刈谷高校 2校受験53.8% 1校受験38.5%
時習館高校 1校受験87.5%
三河の1校受験の傾向の強さを感じてもらえるでしょうか。
一番の理由は私立が少ないからでしょう。これがシンプルな理由です。三河に入れば濃尾平野が途切れます。
それによって三河の各自治体が山に隔てられるのです。交通の便が少し下がると通える高校の数も減ります。これが理由です。
刈谷だけが2校受験でしたよね?その理由も明白ですよ。
刈谷は尾張と三河の境目近くにあって、濃尾平野の端とも言える立地。
交通の便が良くて名古屋市内まで通学圏内と言えます。これが理由ですね。
「刈谷の私立2校受験は濃尾平野端っこの賜物」です(´▽`)コレバッカ
また、三河は公立志向が恐らく一番強い地域です。「公立は2校受験出来るし、どうせ私立行かないし」なんていう認識の家庭が多いのでしょうね。
以上です。
愛知県の私立高校受験校数にはこうした地域性があります。
ふぅ~んと読んでいただいたのちに、お住いの私立高校の状況を確認してもらい、これから迎える私立高校一般受験時に受験校数決定の参考にしてください。
そうそう、先日HPのブログに江南高校について深堀した記事書きました!こちらもよかったら!
今日はこのへんで。
それでは。
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