涼宮ハジキの憂鬱~算数のハジキは不要?~

「あら、ハジキさんいらっしゃい。お久しぶりね・・・あらあら、もう結構飲んできたのね」

千鳥足で店に入ってきた涼宮ハジキに「スナック算数」のママが挨拶をした。

それにしてもここに来る前までで相当飲んできたらしい。

「ママぁ・・ちょっと聞いてくれよ~」

ハイハイとママはカウンターに座らせて、いつものハイボールを出す。ハジキはふらふらしながら話し始めた。

「俺はずっと算数の世界で活動してきたんだけど、勉強が得意な先生たちがハジキなんて邪道だって、消え失せろって凄いディスってくるんだ・・」

ママ「あぁ、速さ・時間・距離を使う文章題での問題を解くテクニックの『ハジキ』よね。別名ミハジとかキハジとも呼ぶわね」IMG_2029-(1)

「そうだよ。俺ぁその先生たちが生まれるずっと前から活動してるんだぜ。昭和20年代ごろ、団塊世代が小学生だった頃から活動してるよ(多分)」

「もしも世の中から本当に必要とされてなかったならば、もっと早くに消滅してるはずなんだよ、俺は。でも平成が終わろうとしている今も現役だ」

「塾用教材にも今も登場するぜ。成績を上げることで有名な塾用教材フォレスタにもレギュラー登場だよ」IMG_2028-(1)

「ママ、なんでだと思う?なんで俺はここまでディスられながらも今も現役なんだ?」

ママ「うーん、どうしてかしら。ママにはよくわからないわ。ハジキさん教えてくれる?」

「ハジキ」はびっくりドンキーのハンバーグ説

「わかった。よく聞いててよママ」

「ハジキっちゅうのは、俺ぁ『びっくりドンキーのハンバーグ』と一緒だと思うんだ」

ママ「ちょっと何言ってるかわからないわw」

「ようするに、100点中80点ぐらいの味がする美味しいハンバーグなんだよ。そして、びっくりドンキーのハンバーグは日本中の至る所でいつでも楽しめるんだよ」

「びっくりドンキーは日本全国300店舗以上あるんだ。1日に100人が1店舗で楽しんだら、日本中で1日3万人を笑顔にできるんだ。365日かけてみれば年に1000万人を笑顔にできる!」

「これだけの多くの日本中の人を笑顔にできるびっくりドンキーのハンバーグっておれはスゲーって思うんだ。同じ味を日本全国に届けてるそのシステムに!」

ママ「なるほど、そうよね。あのクオリティーの味を日本のどこでも楽しめるって確かに素敵よね」

「そう、そうなんだよママ!それをな、手コネで90点以上のハンバーグを作ってる専門店のやつらがディスってくるような感じだよ。邪道だって!」

「これを言うと角が立つけど、今日ぐらい言わせてよ。俺だって手コネの本格派ハンバーグが美味いことぐらいは知ってるよ」

「その手コネハンバーグは日本で1か所、1日に多くて50人にしか届けることができないんだぜ。それが悪いっていってるんじゃないんだ。それでいいんだ。それがいいんだ」

「でもそういう店のやつらはびっくりドンキーをディスりがちなんだ。それぞれの良さを理解してない。ドンキーの良さや凄さがわかってないんだ」

「もしも90点の味の手こねハンバーグが安価に日本全国で誰もが楽しめたならば、びっくりドンキーはとっくに消滅してるよ。だって味だけは手コネハンバーグには勝てないもん」

「90点の味のハンバーグを安価に日本全国に届けることが難しいから、びっくりドンキーは存在してるんだよ!!日本で一番多くの人を笑顔にしているがびっくりドンキーなんだよ!!!」

ママ「ハジキさん、ほら座って落ち着いて。他のお客様の迷惑になるわ」

「ハァハァ・・ゴメン、ママ。熱くなった。お水もらえる?」

お水をグッと飲みほしてハジキは言葉を続ける。

ハジキを抹殺する広く伝わる解法はいまだ無し!

「ねぇママ、よく似てると思わない?」

「ハジキは日本全国の小学生が使ってるよ。でも正統派な考え方で問題を解くように指導する教師からしたら邪道なんて言われるさ」

「何十年もそんな風に言われながらも今も使われてる。それって、ディスってくる正統派な解き方がハジキに勝る伝わりの良い形で広まってないからだよね」

「ハジキなんか使ってると応用が効かないとか伸びないみたいに言われるけど俺はそんな風には思わない」

「ハジキの恩恵を受けて速さの問題を理解した生徒が世の中に圧倒的に多いはず。最初こそ指摘されるように表面的な浅い理解ながらも、ハジキをきっかけとして後追いで正しく理解していったなんて人が圧倒的に多いはずなんだ」

「速さの問題を解くときの解き方を思い出すトリガー(引き金)としてもハジキは優れてるんだ。俺はそう信じてる・・」

「文句があるなら忌々しいハジキを抹殺する正統派で世に広まる解法を広めやがれっちゅうんだ・・。まぁ・・それは・・何十年と達成されてねーけどね、ママ・・」

「そうね、ハジキは大切なのね」

眠気が襲うハジキに優しく諭すようにママは声をかけた。

そんなハジキの両隣に、近くで話を聞いていた客がスッと座ってきました。

「ハジキさん、その気持ちわかりますよ」と右側にクモワさんが。

「夜はこれから。一緒にもっと飲みましょう」と左側にフランチャイズさん。

その日のスナック算数の閉店時間は遅くなったとか。

おわり

ハジキを題材にした妄想物語でお送りしました(´▽`)

今日はこのへんで。

それでは。

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國立拓治

愛知県岩倉市と兵庫県伊丹市にあるさくら個別指導学院の塾長。2005年より愛知の中学生親子の力になれるよう当ブログを日々更新。月間最大50万PV。拙著「くにたて式中学勉強法」は12刷重版!著書累計は7万部突破!休日は余談も発信!3度の飯より飯が好き。詳しいプロフィールはこちら。