算数の嫌われ者「ハジキ」を再び探る!

先日、小学校の算数の山場の一つである速さの単元の教え方、「ハジキ」について記事を書きました。

ハジキがすごい評判悪いんで、ハジキを擬人化して飲み屋で愚痴を言うみたいなテイストで書いてみました。

「あら、ハジキさんいらっしゃい。お久しぶりね・・・あらあら、もう結構飲んできたのね」千鳥足で店に入ってきた涼宮ハジキに「スナック算...

ハジキというのはどうしても塾業界で盛り上がってしまうテーマなんです。SNSなんかでも定期的に話題に上がりますね。

基本的には

「ハジキなんか使って思考停止してるから、本質的に理解出来ないんだよ!百害あって一利なしなんだよ!」

という批判が多いですかね。

この記事を公開したときも同じような意見がツイッターにいくつか上がってました。

私のハジキへの想いは先程少し書きましたが、

「ハジキが理解の入口でも良くない?ハジキが入口でも後付けで理解するなら良くない?」

「ド頭からハジキ全面の指導は確かに困るけど、一通り指導後に理解の補助に使えという指導ならハジキ良くない?」

これが基本の思い。そして、ちょっと踏み込んで想うところを書くならば、

ハジキを利用してなら解けるけど本質を理解できていない生徒って、正統派な指導でも結果は同じじゃないかな?大差あるかな?

ハジキでの指導が大半を占めちゃったから、ハジキ経由で本質を理解していないという生徒が目立つように見えてるだけじゃない?

あと、

ハジキを批判する先生たちというのは、職業柄そりゃそうなんだけど、勉強がとても得意だった人たちが大半じゃない?

渾身の正統派の説明をしても理解してもらえない生徒が5人10人座るような砂漠で水を撒くような想いは中学の先生は日々だろうけど、塾の先生たちは経験ほぼ無くない?そんな層は塾にほぼ来ないから。

そりゃあ短絡的にハジキを使って表面的に教えてしまう浅はかな学校教師もいるでしょうけど、そんな先生ばかりじゃなくない?

渾身の正統派の説明をしても理解してもらえない生徒が5人も目の前に座ったときには、ハジキという補助輪を使ってでも正解を出させ、解ける喜びとか勉強へ向かう気持ちとかも与えてあげたいと、断腸の想いでハジキを使ってる学校の先生も多くいると思う!

やばいですね。まだ想いが湧いてきます。あとは・・

ハジキで安易にパズルのように解くだけでは、より高度な勉強に繋げるときに弊害が出るからという先生もいらっしゃいますが、そんな必要なく、すぐに社会に出る人たちも一定数いるでしょう。

そういった子たちにとっては、健康で文化的な生活を営むために義務教育内容で定められたこの「速さ」という勉強内容について、短絡的にパズルのように表面的に答えが出せるという状態でも、ものすごくプラスになるのではないかと思っています。

実生活で外に出かけるとき、仕事で到着時刻を予想するとき、ハジキを使ってでも簡単な速さの計算が出来ると良いと思うのです。このレベルで充分助かる人が一定数いると思うのです!

思うところ自分の意見としていろいろ書いちゃいました~。

可燃性が高い話題なんで、また批判されるかもしれませんね~。

100人いれば100人の想いありますから、皆様からのご意見楽しみにします。

ハジキを使った速さの理解度分布を図解してみた!

ハジキを用いた速さの指導に関して、生徒たちの理解度合いの全体分布を想像で表してみました。区分けの表現が苦しかったです。

私の想像ではこんな感じかなと。これが私の脳内のイメージです。こんな分布だろうという想像を元に話をしています。hajiki-3

緑の区分けが分かりづらいですよね。また表現もクドいですよね(*_*)

一番右の緑区分けは、そうですね、「ハジキ習ったけどそんなの必要なくね?」と習ったときからハジキを使わずにやっていく子たちの人数と言ってもいいでしょうか。

緑の左側の区分けは、「ハジキ便利ね!」と喜々として使いながら、後付けで本質的な理解ができる層でしょうか。

そんな感じです。深く突っ込んではいけません(^_^;)飽くまで脳内のボンヤリとした想いを形にしたものですから。

世界初でハジキの理解度を区分けしてみて分布を表してみたという部分だけを買ってくれませんか?(^^)

ハジキの貴重な資料をいただいた!

前回のハジキ記事を書いたときに、ツイッターで声をかけていただいた方から貴重な資料を見せていただきました。

ものすごく古い資料で、「物理教育実践サークル通信1988年9月号より」とあります。実に30年前の資料。ハジキが登場したころ、周りの先生たちの反応とかが書かれたものです。

素晴らしい資料なので、見せていただいた資料をこちらでも紹介させてもらいます。こちらに画像とPDFを貼っておきます。

きはじ1988年

IMG_2263

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熱い部分書き出してみますね。

大原さんは、このやり方(ハジキ)は、授業の最後に付け加えるだけで、基本的な考えがわかったところで使えば、今まで理科や数学の問題なんか絶対に取り組まないような生徒でも、楽しんで計算をやるようになるんです、と報告していた。

大原さんの扱いは妥当なのだろうが、例会への参加者は皆うなってしまった。中学で、このやり方が全面になって教えられているだろうことが予想できたからだ。

熱い資料です。興味深いですね。

基本を教え、その後に付け加えるとハジキは良い効果があると報告する先生がいて、そうは言っても安易に全面に教える先生もいるだろうと、割り切れない想いを先生方が抱いているのです。30年前に!(^o^)

もう少しだけ抜粋を。

とにかく今の中学生は、概念を獲得することより、計算で答えを求めることの方が大切だし、それしか求めていない。いや、中学生が求めているのではなく、実際に行っているテスト教育が求めている。

(中略)

学ぶことに対して拒否反応を示している中学生に、理解はともかく試験の成績だけは保証してやろうとすれば、こういった記憶の仕方は当然のこととして次々と開発されてゆくのだろう。

「今の中学生」なんて表現で30年前に書かれてます。30年後も一緒ですね。中学の指導現場は壮絶ですね。

凄い貴重な資料を見せていただけて嬉しかったですね。こんな資料を持ってる方と自然に出会えるのでツイッターって凄いです。

さて、長々とハジキについて書きました。

私の言いたかったことを一言でまとめると、

ハジキはアリだと思う

ですね。

可燃性高くお送りしました!

今日はこのへんで。

それでは。

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國立拓治

愛知県岩倉市と兵庫県伊丹市にあるさくら個別指導学院の塾長。2005年より愛知の中学生親子の力になれるよう当ブログを日々更新。月間最大50万PV。拙著「くにたて式中学勉強法」は12刷重版!著書累計は6万5千部突破!休日は余談も発信!3度の飯より飯が好き。詳しいプロフィールはこちら。