勉強が苦手な子と高望みする保護者

昨日ご紹介した「マシュマロ」という匿名メッセージサービス、さっそくマシュマロが飛んできました(質問が届きました)

匿名メッセージサービス「マシュマロ」というものの存在を知りました。 どうも2018年ぐらいからツイッター上で流行り出したものらし...

最初に届いたのは中学生本人かな?と感じる軽い感じのマシュマロ。こちら↓

軽いマシュマロですね。すぐさま投げ返しておきました。

さてさて、ここから。次に届いたマシュマロがですね、デカくて固い。こちら↓

とてもデリケートな内容ですね。おそらく同業の先生じゃないかと。こんなシチュエーションに実際にいて困ってらっしゃるのかもしれません。

マシュマロは140字で返信することになっているのですが、これは140字に収まりません。ここのブログの場を使って返信をさせてもらいたいと思います。

まずもって、志望校と本人の実力のギャップがあるときには、そのギャップを埋めることが塾の役割ですよね。

このギャップを埋める解決策は、「本人の実力を上げる」か「志望校を下げる」の2つだけです。時にはこの2つを組み合わせながらギャップを埋める高さを探りますよね。

今回書いていただいた状況は学習障害が疑われて「本人の実力を上げる」だけでギャップを埋めることが難しい状況。

生徒本人の勉強の様子は、階段を登るようにトントンとスムーズに理解していくことができず、3段上がって2段下がるような進み具合です。

どこかで本人の学習の様子を具体的な事実を示しながら、いかに今の志望校までのギャップが大きいかを保護者に感じて理解してもらうことが必要になりますよね。

さて、私の立ち回りとのことでしたが、私がこの場にいたならば取り組むことは2つです。

「保護者との心の距離を縮める」「自分が考えるベストを伝える」ですね。

思えばこれは塾で接する全ての人に対して接するときに心掛けていることかもしれません。生徒、保護者、講師の三者に対してこの2つを心がけています。

もしも私ならば、今の当塾の体制であれば、「理解していってるが、スムーズではなく、ゆっくりと進んでいます」なんてことをLINEでご報告をするでしょうか。

LINEで、電話で、保護者と何度か連絡を取り、「応援を続けているが目指すところへは苦戦をしている」ということを具体的に話していきます。

そして、いよいよこれはこのままでギャップは埋まらないと確信するようなタイミングがあれば、保護者にお願いをして面談を設定します。

ここまでで保護者と心の内を話せる間柄が出来ていることがベストです。そんな間柄が上手く出来ていなくても、「ただお子さんの応援をしたいと思っています」というスタンスを感じてもらえるように努力します。

ここで志望校が厳しいことをお伝えします。「理解のペースがとてもゆっくりなので、今の志望校は難しいです」ということを、具体的な学習状況を示しながらお話します。

この状況がわかって、これから塾として今後どうしていきたいかを保護者に伝えます。

「ゆっくりではあるが確実に良くなってます。彼のペースにはなるが、頑張る本人を応援して一歩一歩上を目指させてあげたいと思っています」

「志望校は本人の状況を見ながら改めて相談をしていきたいです。現状で現実的な志望校は〇〇高校です」

なんて伝えるでしょうか。

心尽くし、言葉尽くし、塾が考える本人にとっての一番の対処を伝え、それに対して保護者がどうおっしゃるかです。

理解をしていただけて「引き続き指導をお願いします」となればいい着地でしょうか。

また、「それでは意味が無いんです」と悲しそうに保護者がおっしゃり、ここで退塾という展開もあるかもしれません。

実はこの展開を私は体験済みです。悲しいことではありますが、塾が考えるベストが家庭にとってベストと思っていただけない時は、なるべく早く塾を辞めていただくことがお互いにとっていい結果です。

なにかシリアスなことを伝えなくてはいけない場面で、相手の心の底までその言葉を届かせるため、それまでに相手との心の距離を縮めておく。

ということです。

ちなみに学習障害については、よほどない限りこちらからは口にしません。

私は学習障害かも?と感じても、素人ですし確信も何もありません。「理解がとてもゆっくりです」という表現で話をしていきます。

保護者との信頼関係が出来てきて、コンコンと話し合うようになったころになってから、「実は発達障害(学習障害)で薬を処方してもらってます」なんて保護者が教えてくださることがあります。

このへんの後から教えていただける感じは想像ばかりです。

「最初から言うと塾に入れてもらえないかも」なんてお思いになるのか、

「先入観を持って子供を見てもらわないように言わずにいよう」なんて思われるのか、

そもそもそれを塾に伝えることがプラスに働くと思ってらっしゃらないのか。

なんにせよとてもデリケートです。

質問者は「学習障害かもしれませんよ」「医療機関に行ってみた方が」と進言してあげたほうがいいのでは?なんて書いてらっしゃいましたが、とっくに医療機関に行って判明してる展開もありますよね。

ワクチン接種の確認以上にデリケートなところですから、慎重にされてください。

こちらの想像を超えて対応に苦慮するような場面が塾であり、その時までに保護者との信頼関係が築けていれば、言葉を選んでお伝えするやもしれません。

「医学的なことはどこまでも素人ですが、今までの指導経験に照らすと、私はこう感じています」なんて。

幸い私は自分の塾で、退塾は困ることではありません。

その生徒にとっていい環境だと思えなかったら、思ってもらえなかったら、塾にいてもらうことが失礼だと。心から思えて行動が出来ます。

ここが学習塾に勤務をしている方ではそうはいかないところなので心苦しいですが、ここは総じてこの方が良いだろうと自分がベストだと思うことを行動に移してみてください。

あたかも私が落ち着いていつも接することが出来る人みたいに書いてますが、いつも冷静にベストな対応が出来るときばかりではありません。失敗も何度も重ねてきました。

もう何年も前の話です。3学期に入った頃だったでしょうか。中1生の親から電話がありました。受話器をとって会話を始めた途端、話すお母様...

失敗を重ねてきて今は私はこんな風に感じています。よかったら参考にしてください。

それにしても重く固いマシュマロでした。

いろんなサイズのマシュマロがパラパラと飛んできますが、暇を見て返信をしていきたいと思います。

今日はこのへんで。

それでは。

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國立拓治

愛知県岩倉市と兵庫県伊丹市にあるさくら個別指導学院の塾長。2005年より愛知の中学生親子の力になれるよう当ブログを日々更新。月間最大50万PV。拙著「くにたて式中学勉強法」は12刷重版!著書累計は6万5千部突破!休日は余談も発信!3度の飯より飯が好き。詳しいプロフィールはこちら。