「先生、あの子、今日も『わからなかった』と白紙で宿題持ってきました」
悩ましい表情で講師の先生が私の元にやってきました。おうおう、昨日の今日でやってくれるじゃねーか。私の出番ですね。
この話は昨日の授業にさかのぼります。
昨日の授業報告に「宿題がわからなかったと白紙で持ってきた」と書いてありました。「体調悪そうでしたし、追及するのは辞めておきました」とも書いてありましたね。
私はこの報告に対して、
「次に同じことを言い出したらすぐに私を呼んでください。私が真偽も含め対応します。まぁだいたいクロなんですけどね(笑)」
「宿題をサボり続けて成績が上がらなくても、それは対応しなかったこちら(塾)の責任ですからね」
こんな風に書いておいたんですよね。
こんな経緯あり、授業スタートと共に悩ましい表情で講師が報告に来てくれた形です(´▽`)
さて、私の出番です。こういった生徒との折衝時の私のテーマはいつも「真綿で首を絞める」です。
中学生の伝家の宝刀「わからなかった」を抜かれたら、こちらも本気でアタックする必要があります。
「嘘つけ!」なんて決めつけること無く、「教え方が悪かったかもね、ゴメンネ」なんて卑屈になることなく、バランスとれた対応を試みます。
生徒に話しかけます。怒鳴ったりしません。なんならこの不思議な現象が2日続いたこの出来事を楽しむように、「しょうがねーな」という感を出して笑顔での対応です。
「なぁ、中学生の最終奥義『わからなかった』を2日連続で炸裂させて白紙で来たらしいやん?」
「おまえわからなかったって言い張れば全てが許されるとか思ってるでしょう?」
冗談めかして話しかけます。生徒はかすかに苦笑しました。
「授業のときには出来ていたらしいし、俺は半分は嘘だと思ってるからね。宿題をサボるための」
「でな、もしもガチでわからなかったとしても、こんなことが続くようだったら君の成績を上げて上げることできないじゃん?」
「だから、ガチだったとしても、ズルだったとしても、次に同じことが起ったら、授業の日とは別に宿題を塾にやりに来る日を作るね」
「わからないなら塾に来て質問してでもやってもらう。覚えておいて。だからこれから白紙で現れるのは無しね」
・・・これで解決する予定です。
本当にわからなかったとしても、宿題をサボるためのウソだったとしても、どちらであっても行きつくところで同じ行動をしてもらうというのがミソです。
本当なのか嘘なのか、追及する必要要りませんからね。
私から言わせればこんなの100中99嘘ですよ。でも、それを「嘘だ!誠実であれ!」なんて強く叱責することがベストだとは思わないんですよね。
白黒はっきりさせずにあえてグレーな部分を残しながら、生徒本人のプライドを少しだけ尊重し、自然な流れで良い方に導けたらいいなと私は思います。
生徒とのやりとりの一場面をご紹介しました。
今日はこのへんで。
それでは。
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國立拓治
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