先日購入してきた本を読み終えました。こちら。
「伝説の入江塾は、何を教えたか」という本です。大阪帝塚山に1986年まであった伸学社という塾で、塾長の名にちなんで通称「入江塾」と呼ばれていた塾のようです。
入塾試験を行わないこの塾から灘高校へガンガン合格者が出て、募集55名の年に30名合格者を出したこともあったという塾だそうです。
これは無理やり愛知に換算すると、旭丘高校に定員の半分以上合格者を出す感じです。街の一個人塾がですよ。
その指導は「人間七分学力三分」と、人間教育に力を入れていたそうです。人間として整ってくると学力も整ってくるということだそうです。結果が伴っているので説得力がありますよね。
そんなもの凄い塾が大阪にあったそうです。もう30年も前の話になるんですね。
わたしゃ、頭が悪いんです
この本の中に書いてあった印象に残った部分を1点ご紹介。
入塾してきた中1の生徒に初めて数学計算をやらせるときに、まずはこの「わたしゃ、頭が悪いんです」という台詞を教えるのだそうです。
「計算演習を始める場合には、必ずこの呪文を口に唱えながらエンピツを選べ」と命じるそうです。
「自分は頭が悪いんだ」と、無意識のうちに自分の力に対する過信を自戒しながら解いていくから、計算ミスが非常に少なくなる・・・とのことでした。
とは言え子供なので、その作業が機械的なものになり、やっているうちに油断をしてミスが多くなることもあるそうです。
そこで再度呪文を唱える作業に気持ちが入ります。「わたしゃ、頭が悪いんです」と。この繰り返しでだんだんと本当の計算力が身についていくそうです。
・・・そうか!生徒本人にいつも唱えさせることで定着させることができるんだ!素晴らしい取り組みごちそうさまです!という気持ちで読みました。
先日の中3基礎特訓講座では入試計算問題に取り組む時間がありました。私はこのコーナーの開始に3日続けて同じことを言いました。
「いいかい?賢い人ほど人間はミスをするということを知っているんだよ。先生も余裕でミスするし、昨年一宮高校入っていった3人の先輩たちも余裕で計算ミスしてたよ」
「人間はミスをする愚かな生き物だということを忘れずに、慎重に計算問題に取り組みなさい」
これを3日続けて伝えました。これだけ伝えれば少しは生徒の心に届いただろう!なんて満足気に思ってましたが、大甘でしたね。
生徒の慢心を戒めるキャッチーなフレーズを作ってそれを計算問題に取り組む前にはパブロフの犬のレベルで必ず唱えるようにさせる。
そこまでして心を整えて取り組ませるようにさせるべきなんですね。私が甘かったです。
真似をするなら愛知県なので名古屋弁風にしますかね。
「たわけだで慎重にやらなかんわ!」
・・んーしっくりこないかな。やはり入江塾の伝統的な台詞を使いますかね。
「わたしゃ、頭が悪いんです」
これを計算問題に取り組む前には唱えるようにさせます。
中高生の皆さん、くだらない作戦だと思ってる?そりゃあねぇ「おたく、頭が悪いんです」だよ(笑)
イチローは打席に立つまでの動作が全て決まってるよね。ルーチンってやつだ。いつも同じ最高の状態で打席に立てるようにしてるんだよ。
これは入江先生が君らに贈る計算ミスを無くす最高のルーチンね。今後大学入試が終わるまで、この呪文を唱えてから計算問題をしようね。
伝説的な凄い塾の取り組みを知って刺激されました。幸い当塾は一個人塾ですから、良いと思えば今日から取り入れることができます。
まずはこの台詞から取り入れていきたいと思います。
(余談ですがFBでお友達の京都の石原先生@学塾ミライは入江先生にシバかれたことあるそうですw凄い!)
ご興味あれば是非読んでみてください。同業の方は楽しめるかもです♪
祥伝社
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今日はこのへんで。
それでは。
國立拓治
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