私が大学に入学した年のことです。
必修の英語の授業を担当してくれた先生は秋篠宮さまのような風貌と落ち着きをもった男性の先生でした。
海外の新聞記事をそのまま使ったような教材だったと思います。この記事を日本語訳をしてくるのが毎回の宿題でしたね。
この教材が少々難しく、宿題はスッといかず面倒だったので、私はちょいちょい宿題をやることをサボりました。
サボることができたのは、毎回の授業で当てられるれるのはランダムに5人ぐらいだったからです。この5人に入らなければセーフでした。
宿題をサボって当たらない日が続くと、「この幸運が続くはず。続いてほしい」とだんだんと宿題をやらない日が続くのです。
思い出しながら書いてますが、我ながらカスですね(*_*)
ある日ついに宿題をやっていない日に当たりました。そんな日は「スイマセン。宿題やれてません」と言って飛ばしてもらう流れでした。
周りにもこのセリフを言う生徒がいて、私はその中の1人でした。気まずい思いをしながらも、のど元過ぎればなんとやら。
私は2度ほどこのセリフを過去に言ったのに、また宿題をやっていないというカスな展開を迎えます。
宿題をやらずに授業で当たってしまった3度目のときのこと。
「スイマセン。宿題やれていません」と伝えると、先生は宮さまのような落ち着いた口調でおっしゃいました。
「君はこれで3度目なのですが、この授業の受講を辞めたらどうですか?これは君のためにも、私のためにもその方が良いと思うのです」
お、お、お、これは怒鳴られるよりも怖いやつです(;・∀・)
「君のためにも」なんて表現を使って大人扱いをしてもらいゴリッゴリの正論を説かれましたね。
「もう一度チャンスください」と、私は強めの語気で返事をして、何とか許してもらいました。
このようなセリフを先生からもらったクラス第一号が私でした。緩んだ態度の生徒たちの姿勢を正す見せしめのような感じになっちゃってましたね(^^;)
その後の私はしっかり予習するようになりました。授業当日は電車の中とかでも予習をして、浪人した賢い友達を車内で見つけた時なんかは質問までしました(笑)
20年以上前の話ですが、今でも明確に覚えています。
先生のセリフが効きましたね。「やらないなら辞めた方がよくない?」という落ち着いたセリフ。
「カス」クラス代表だった私が、時を経て今や塾の先生です(´▽`)
塾の中であのときと同じ場面に遭遇するのです。立場を逆にして。
先日もやる気がしっかり湿った生徒と話をしました。
「なかなか勉強に気が向かないよね~。どう?高校は行きたいの?」
「簡単に行くっていうけどね、現にめちゃめちゃ勉強やりたくねーじゃん?高校ってまた今の勉強が3年続くよ?」
「勉強嫌いでやらないのに高校行きたいって言うのってさ、バクバクお菓子食べながら痩せたいって言ってるのと同じでしょ(^^)」
「中途半端がイカンね。どっちかにしなよ。覚悟して『勉強イヤ!もうやらない!』って言えば塾もすぐ辞めれるよ」
「そうしたら塾にかかってる費用を使って毎月家族で焼肉パーティー出来るし良くない?皆で旅行とか行けるしいいでしょ?」
「でな、もしも『やる!高校行く!』っていうなら覚悟して頑張りなよ。応援するから」
「やる気無くて勉強やらないのに塾に通うとか、親とか塾とか関わる大人がたまらんわ。どっちかにしや~」
これを笑顔でしっかり伝えると、生徒は言います。
「やります」
このいつもの生徒との会話について、今日気がつきました。
「これ、俺の大学時代の英語の先生との会話と一緒じゃん!」
あのときの経験が影響しているんでしょうね。一人の人としてその人の意見を尊重しながら、中途半端な状況を非難して選択を迫る感じ。
そりゃあ基本的に皆が「先々のために自分のために勉強しなきゃな。親がお金を払って通わせてくれているんだからな」という気持ちが心の底にありますからね。
ここをキッチリと炙り出します。落ち着いて淡々と。頭ごなしに叱るのではなく。時には笑いながら。
大切なことわかってるつもりでも人は緩い方に流れていきます。大学時代の私のように(*_*)
大学時代の私と同じしょうがない生徒たちも正してあげたいですね。私が宮さまにしていただいたように。
生徒とのやりとりのルーツが大学時代の先生との会話にあったことを発見した本日でした(^^)
当塾の保護者の皆さま、お子さんがやる気ぬるくて目に余るようでしたらお声かけください。私からも声かけてみますので♪
今日はこのへんで。
それでは。
椅子を横にして私が座り、今日書いたような話を後ろの席の生徒と話すことが多いです(^o^)
塾長國立の初出版書籍「勉強のキホン」全国書店にて好評発売中です!
あさ出版 (2019-03-15)
売り上げランキング: 403
初めてこのブログにお越しいただいた方はこちら!
「友だち登録」でblog更新情報をLINEで通知します!
國立拓治
最新記事 by 國立拓治 (全て見る)
- 50歳過ぎて金華山で登山デビューしたよ! - 2025年1月26日
- さくら個別20周年を祝って元講師みんな誘って宴を開催! - 2025年1月24日
- 自塾中3生たちの勉強を頑張った成果を紹介させて! - 2025年1月24日