自学の宿題は「埋める」じゃなくて「覚える」を目指せ!

自習に来ていた中学1年生。自学帳の宿題に取り組んでいました。

ノート見開き1ページ、右下に明日の時間割と日記を書く欄を残して、残りを自学で埋めるという宿題です。

この宿題は「やる」ではなく「埋める」という表現を使ってしまう感じですね。生徒皆が埋めることを目的に取り組んでしまいがちです。

ここ最近のトレンドなのか、地域のトレンドなのか、自学の内容を毎日指示してくる学校も。昨日の子の学校では社会のワーク14ページ15ページをやるように指示が出たそうです。

もはや自学じゃないですよね。「自」ってなに?(^^;)

こんな学校の対応もまぁ経緯が想像できちゃうんですけどね。

「自由に見開き2ページ勉強してこい!」なんていうザックリとした指示にすると、馬鹿デカい字で2分ぐらいで終わる内容で、毎日「漢字練習です」とか言って出してくる生徒がいるのでしょう。

これに対抗すべく「字は大きく書かず罫線に沿って書くこと!」なんて指示を加えたら、今度は練習する行を2行飛ばしでスカスカに書いてきます。涼しい顔で「漢字練習です」と変わらず持ってくる。

こんな生徒が多く出てしまう状況下で、この展開にならぬよう「字は小さく、隙間を作らぬよう、しっかり埋めてやってくること」という指示になってしまい、綺麗に埋めた自学ノートにAとか高評価が与えられてしまう流れになったのかなと。

内容を全て自由にすると漢字練習しかしない生徒が出るんで、バランスよくやるように内容も指定する流れになったのかなと。

ホント難しいですね。

自習に来てた中1の子はこの自学の呪縛にやられてました。頑張ってしっかり全面埋めてありましたが、正に「埋める」がゴールになってしまっている勉強に。

今日は自習1時間後に見に行ったら、問題集の問題を一字一句書き写し、丁寧に解答欄まで作ってノートを埋めていました。それでもまだ半ページ。

「問題が少ししかなくて、問題を解いただけでは埋まらないんです・・・」と困って取り組んだことを教えてくれました。

昨日は「漢字のスキルという教材で1から10までを練習してくること」という指示が学校から出ていて、その子は全ての漢字を3回ずつぐらい書いて見開きを埋めてました。

書いて埋めましたが、その練習の成果を見るためのテストをした痕跡もありませんでした。「で、どの漢字が書けるようになったの」「で、どの漢字はまだ書けないの?」が全くわからない状態。

そんな自学に二重丸を大きくつけてくれた学校の先生。むむむ。自学が機能してません。まずいパターンにハマってます。

この自学の宿題に日々12時ぐらいまで時間がかかっちゃうなんて困ったようにその生徒は話してくれました。

良かった。今それが聞けて。さっそく改善する作戦を生徒に話していきました。

自学は「埋める」のではなく「覚える」を目指す!

その生徒に話しました。

「一生懸命言われた通りに自学ノートが埋まるように考えて取り組んでくれたけど、だんだんと目標が『自学帳を埋める』になってきちゃってるよね」

「本当は『取り組んだ勉強内容を覚えること』を目指すべきだよね。だから、自学は覚えることをゴールにして、何を書くかを考えてやっていこう」

必ずテストをするコーナーを作る!

「例えばね、漢字だったら最初にいきなりテストすることから始めるの。それを自学に書いていく。で、書けなかった漢字を何回か練習するコーナーを作ればいいよね」

「で、そこから出来なかった漢字のテストをするコーナーを次に持ってくる。また書けなかったらまた練習するコーナーとか繰り返していく」

「ただ回数を練習するより、漢字が書けるようになるよね。それを目指してやってるから」

「例えば今日の社会もそう。いきなり問題を解いてみて、解けなかった問題の部分を教科書とかで少し書いてまとめたりしてもいいよね」

「問題集を折り曲げて、『2回目!』なんて題をつけて2回目に取り組んでも良い。『間違えたところだけ3回目!』なんて続けてもいい」

「自学を終えた時に出来るようになることを目指していこう。その内容に困ったら友達の自学を見せてもらったり、先生に相談してごらん。もちろんここに相談に来ても良いよ」

「もっと頭に残るように、もっと短い時間でやれるように、工夫して変えていこう」

話している途中、何度か目を見開いて「そうか、そうやればよかったのか」と言いたげなリアクションをしてくれて、スッキリしたように帰っていきました。

ここからの自学の改善を見守りたいですね。

たまたま塾で自学に取り組んでいたので声をかけることができましたが、「埋める」を目指す自学をしてしまう子が多いです。

それが正しいし素晴らしいかのように学校に評価されてしまうと、その取り組みがズレていることを疑わないですよね。

中学生の保護者の皆さん、ちょっとお子さんの自学ノートを覗いてみてください。埋めることが目標になっているやもしれません。

もしも「埋める」全開のノートでしたら、指摘して改善案を提示してあげてください。

そんなことしようものなら親子喧嘩になることしかイメージできないなんてご家庭は、この記事のURLを子供のLINEに送ってあげてください。

「我が子の自学ノートが埋めることを目指してやってしまっていたら、この記事へのリンクを子供のLINEに送るように塾の先生のブログに書いてあったから」

なんて、私のせいにして送ってあげてください(´▽`)

埋める自学が覚える自学に変わっていくといいなと思います。

自学について書いてみました。

今日はこのへんで。

それでは。

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國立拓治

愛知県岩倉市と兵庫県伊丹市にあるさくら個別指導学院の塾長。2005年より愛知の中学生親子の力になれるよう当ブログを日々更新。月間最大50万PV。拙著「くにたて式中学勉強法」は12刷重版!著書累計は7万部突破!休日は余談も発信!3度の飯より飯が好き。詳しいプロフィールはこちら。