KADOKAWAで高校入試対策教材を作ることになった経緯を書いてます。過去5回はこちら。
今回6回目。2025年2月です。
まだ続くんかいという噂もちらほら。久々に連日更新させてください!
いよいよ問題選定が始まるという場面です。問題選定の様子をお伝えします。
問題選定はつらいよ!
取り組んだ順番は数学→社会→理科→英語→国語ですね。
何せ初めての作業。試行錯誤をしながら進めていきます。
はじめは要領得てませんし、1日に1単元出来たら良い方みたいなときもありましたね。
5教科14単元ずつあるのにですよ!?(+_+)
実際に選定し始めて困ったこと2点伝えさせてください。
1問がデカくて紙面に入らん!
→これ本当に困りました。1単元で見開き1ページという制約がありますから、短くて端的に設問を作ってくれる県が多くなっちゃったりしますよね。
あぁ、紙面が許せば1問3ページみたいな特大な問題も使ってみたいなぁ。
また都会の問題が凝ってて1問がデカいのばっか!東京とか神奈川とか使いにくい!使いたいのに!
WEB特典とかで長い問題を掲載したらいいかとかも考えましたが、WEB掲載となると、また許諾関係が面倒なことになるらしく。
よって、1問がデカい大作は掲載出来ず悔しい想いをしましたね。
正答率が単元によっては簡単過ぎたり難しすぎたりする!
→なだらかに難しくなる感じで紙面を作りたいのに、簡単な問題しか無かったり、難しい問題ばっかりだったり、ヤキモキしましたね。
たとえば数学の計算はとにかく簡単な問題ばかり。正負の数は難しい問題を作るのが難しいですよね。
逆に、相似・三平方を利用する図形問題は簡単な問題が少なくて困りました。そういうものだと気合入れて取り組んでもらうしかありませんね。
以上2点です。紙面の関係だったり正答率の関係だったりで掲載を諦めた問題たちを集めて公開したいです。
ここだけの話、その都道府県の人口によって正答率にクセがある!
ここだけの話、人口が多い都会を擁する都道府県は、一般的に難しい問題であっても、正答率は下がりにくいです。
簡単に言えば、勉強が得意な優秀な子が多いからです。
角が立つので皆まで言いませんが、逆もしかりです。
「なんでこんな難しい問題が正答率高いの?」
「なんでこんな簡単な問題なのに正答率が低いの?」
という場面に遭遇したときは、出題の都道府県の人口を想像してみてください。
デリケートなところながら、知っておくとよいです。
問題選定は面白いよ!
さて、「問題選定はつらいよ!」なんて言ってみましたが、ワクワクしてしまった問題選定作業はやっぱり面白いです。
各教科、各単元で全国の過去問から相応しいものを見開きページに収まるような問題数を選んでくるわけです。
選ぶことが出来るのは正答率を発表している24都道府県に限られますが、各単元で5年前まで遡って選ぶことが出来ます。
たとえば数学の証明の単元であれば、単純計算で24都道府県×5年で120問。
120問の候補の中から、問題難易度や問題パターンのバランスを見ながら見開きの紙面にハメていくのです。
めちゃくちゃ大変ですが、めちゃくちゃやり甲斐あって面白い作業です。
私の選定が拙いときには一柳先生がアドバイスをくれますし、安心して選ぶことが出来ます。
無理やり例えるならば、スポーツの日本代表を5種目で選んでくるようなものです。
野球、サッカー、柔道、陸上、水泳と。これをさらに各ポジションや各種目で選ぶわけです。
野球(先発・中継ぎ・抑え・捕手・遊撃手・・・)
サッカー(FW左・FW右・FW中・MF左・・・)
といった感じで。
もしくは、たとえば名古屋の飲食店を5ジャンルでベスト14を選んでくるようなものです。
中華(麗穂・梨杏・王朝・・・)
寿司(西川・あま木・右江田・・・)
といった感じで。これをさらに、その店のベスト10メニューを選ぶわけです。
どうですかね?ちょっとワクワク伝わりませんかね?こういうランキング好きみたいなのは男子特有のやつですかね?
問題選定が始まってからも、何度か埼玉県浦和市まで足を運んで、サポートしてくれる一柳先生と打ち合わせしてもらいました。
「この問題はこの単元に相応しくないので替えた方がいいっすね~」「この問題は次の問題とパターン似通ってるんでこれも替えましょう~」
ヒィ!( ゚Д゚)
せっかく選んだのにっ!鬼!悪魔!
……なんて言いたい気持ちを押さえ、問題入れ替えの指導をいただきます。
この選定作業が春過ぎまで続きました。本当に修業でしたね。
朝起きて問題選定。昼食べて問題選定。時には塾から帰ってきてから問題選定……。
一柳先生には本当にお世話になりました。おかげで良い問題を選定することが出来ました。
「これでどうだ!」とKADOKAWA編集の信田さんに5教科全部送り終えると……
しばらくして信田さんからこんなメールが。
デザイナーが作成した紙面にデータを流し込んでみたら、はみ出してしまった問題が結構ありまして、問題をたくさん削る必要が出てきてしまいました。
ヒィ!( ゚Д゚)
せっかく選んだのにっ!鬼!悪魔!
……なんて言いたい気持ちを押さえ、問題削りの作業を進めました。なんとかこの作業も完了です。
ここまでの作業を終えたのが2025年6月上旬です。
さぁ、ここまでこれば、あとは勉強法のページ、各ページの一言アドバイス、はじめに、なんかの原稿を書き、本のデザインやタイトルや帯なんかの文言を決めて終了です。
次回を最終回にしましょうか。
長らくお付き合いありがとうございました。もうしばらくだけお付き合いを!
あと少しだけ続く。
この苦労の末に出来た教材がこちら↓
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音声メディアVoicyを更新しました!今日はVOICYでもこの本について話してます!
YouTubeも更新挑戦中!(最近滞り中!)
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國立拓治
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