今日は愛知県の公立高校推薦入試の定員枠について掘り下げて書いてみたいと思います。
愛知県公立高校普通科は推薦入試の定員枠が「10%程度~15%程度」なんて表記で決められています。
「程度」なんて表現でぼかしてありますよね。ここがミソで、各校の裁量で10%から20%ぐらいまでの生徒数に合格者を出しています。
調べてみると見えてくるのですが、偏差値や地域によって推薦合格者の割合に特長があるんですよね。
このへんを3点にまとめてお送りしてみます。
上位校ほど推薦合格者を出す割合は少なくなる
これは地域に限らず言えることですね。以前作成した高校ランキングと数値がある程度リンクしてくるはずです。
以前記事で書いたのは愛知県公立高校TOP校ベスト10という記事です。
このランキングに推薦入試の定員に対するH28年度の合格者の割合も添えて並べてみましょう。
1位 旭丘高校 偏69.3 推薦合格者割合10.0%
2位 明和高校 偏68.2 推薦合格者割合11.3%
3位 岡崎高校 偏67.6 推薦合格者割合10.7%
4位 一宮高校 偏67.3 推薦合格者割合10.0%
5位 刈谷高校 偏66.3 推薦合格者割合10.7%
6位 向陽高校 偏66.2 推薦合格者割合10.9%
7位 時習館高校 偏65.9 推薦合格者割合10.3%
8位 菊里高校 偏65.7 推薦合格者割合10.0%
9位 豊田西高校 偏64.4 推薦合格者割合10.0%
10位 瑞陵高校 偏64.0 推薦合格者割合15.0%
瑞陵だけが表記されている定員枠いっぱいまで推薦合格者を出していますが、上位校ではそれは稀なことです。
推薦定員枠いっぱいまで合格者を出さなくても優秀な生徒たちが集まってくるので、学力を見ずに推薦で合格を出すというのは学校側からしたら利点では無いのでしょう。
本当に学校側が来てほしいと思う生徒を少しだけ合格者を出す感じでしょうか。こういったTOP校の学校側からの本音は
「うちを志望する生徒はみんな優秀なのは決まっとるで、シンプルにペーパーテストだけの選抜でえーがね。スポーツが得意な子が少しだけ来てくれたらえーわ」
じゃないかなと想像します。
ここからさらに岩倉や北名古屋市民に馴染のある高校を合格者平均偏差値の高い順に並べて、同じく推薦合格者の割合を添えて並べてみますね。
西春高校 推薦合格者割合15.0%
江南高校 推薦合格者割合15.0%
一宮南高校 推薦合格者割合15.0%
小牧南高校 推薦合格者割合10.6%(全員合格)
丹羽高校 推薦合格者割合15.0%
尾北高校 推薦合格者割合13.2%(全員合格)
・・・・・・・・・15%の壁・・・・・・・・・
山田高校 推薦合格者割合20.0%
小牧高校 推薦合格者割合17.8%
犬山高校 推薦合格者割合20.0%
稲沢東高校 推薦合格者割合17.0%(全員合格)
犬山南高校 推薦合格者割合15.8%(全員合格)
尾西高校 推薦合格者割合16.3%(全員合格)
こんな感じです。全員合格校は学校が思う枠を最大まで使用していないので参考になりませんのでご注意を。
基本的には中上位校は最大15%で合格者を出すのが基本で、中下位校から15%を超えて合格者を出すようですね。
15%を超えて推薦合格者を出す中下位校の本音は、
「内申沢山持ってる真面目な子に来てほしいがね。勉強だけ出来ても気持ちがついてこんかったら途中で辞めたりするでかんわ」
「まーうちは20%まで推薦合格出す覚悟あるけど、そこまで推薦志願者がおらんでかんわ」
こんな感じかと(笑)
名古屋市内の高校は枠にこだわらず良い人だけを合格させることがある
さて、名古屋市内です。
名古屋市内は相変わらずフリーダムです。
名古屋市外の尾張や三河は決められた枠をきちっと守って推薦合格者を出すことが多くてですね、「上位校が15%以下、中位校は15%、下位校は20%もOK!」でほぼ揃います。
しかし名古屋市内はフリーダム。
並べてみましょうか。全部というわけにはいかないですがある程度だけでも。
旭丘高校 推薦合格者割合10.0%
明和高校 推薦合格者割合11.3%
向陽高校 推薦合格者割合10.9%
菊里高校 推薦合格者割合10.0%
瑞陵高校 推薦合格者割合15.0%
千種高校 推薦合格者割合13.5%
桜台高校 推薦合格者割合14.3%
松陰高校 推薦合格者割合15.0%
天白高校 推薦合格者割合15.0%
昭和高校 推薦合格者割合13.8%
緑高校 推薦合格者割合11.6%
名西高校 推薦合格者割合15.0%
中村高校 推薦合格者割合15.0%
山田高校 推薦合格者割合20.0%
鳴海高校 推薦合格者割合20.0%
抜粋ですがこんな感じです。
上位校なのに15%だったり、中位校なのに15%を切ってきたり、自由な感じです。
私の思うフリーダム校は昭和高校と緑高校ですね。中上位校という呼び名が合う高校だと思うのですが、このレベルの高校で定員枠いっぱいまで合格を出していないのは珍しいかと。
詳しく見ると、
昭和高校 定員360名 推薦志望者61名 合格者50名
緑高校 定員360名 推薦志望者54名 合格者42名
です。
飽くまで「来てほしい人に来てもらう。定員枠を埋めるように合格者は出さないよ」という姿勢がカッコいいです。
上位校の台詞なんですけどね、この台詞って。なんと言いますか学校のポリシーを感じますね。
また、ベスト10にも入る上位校なのにキッチリ枠を使い切って15%合格者を出してくる瑞陵もまたフリーダム。
「名古屋の周りの高校がどうかしらんけど、うちは枠最大まで合格者出すよ」という感じがまたカッコいいです(笑)
名古屋は「高校ごとで好きにやりゃ~。横並びで揃える必要にゃーでな~」てな感じでしょうかね。市長の顔が浮かびますね(笑)
専門学科の推薦入試は定員の50%まで合格者を出せる!
専門学科は推薦入試の定員枠が広く、「30%程度~45%程度」と設定されています。そしてほとんどの高校で定員枠の50%まで合格者を出していますね。
例えば岩倉総合高校は定員が240名ですから、120名まで推薦合格者が出せます。とても大きいですよね。
現に今年は120名まで推薦希望者が集まらなくて、推薦志願者全員が合格しています。専門学科は普通科と違って積極的に推薦を狙っていくべきかと私は思います。
以上です。
気合入れて書きました。次年度から一般入試と同日実施になるので推薦入試の影が薄くなりそうですが、不合格ショックが1度で済むようになったので推薦入試も積極的にアタックしていきたいですね。
参考にしてください。
今日はこのへんで。
それでは。
國立拓治
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