「問題集のマル付けを溜め込む」ことのダメさをビシッと指導する先生の話

岩倉中学2年のソフト部の小林さん。(架空の人物)

今日は夏休み入ってから5日目の部活の日です。いつものように守備練習、打撃練習、練習試合という流れで取り組みます。

顧問の山田先生は担任でもあり数学の教科担当でもある人です。そんな山田先生から声がかかります。

「小林、ちょっと来い」

小林さんが近くにやってくると、山田先生は腕組みをしながらゆっくりと口を開きました。

「小林、5日前の夏休み初日の練習の反省を伝える」

「初日の守備練習が酷かった。ボールを正面で受けずに手先でキャッチをするような姿勢だった。後ろに逸らすことが無いように正面で受けるようにしろ。そして、攻撃は…」

5日前の練習時の反省をゆっくりじっくりと話し始めました。

最初は「ハイ。ハイ」と聞いていましたが、どうしても湧いてくるこの思い。

「それ言うの今じゃないですよね?そのときじゃないですか?」

この思いを消し去れず、素直に聞けなくなっている中、驚くことに続けて4日前の練習時の反省も話し始めました。

「4日前の守備練習も酷かった。初日で酷かったところがそのままだ。そもそも…」

これはキツイ。このままだときっと3日前から今日までの反省もずっと話してくるに違いない。ちょっと先生に意見してみよう。

小林さんは思い切って口を挟みました。

「先生、先生、あの、反省はその日その時に言ってもらえたら改善出来たと思うのですが、なぜその指摘が今日なのですか?」

「5日前の悪いところを指摘してもらえてないから、4日前もその同じところが悪いままなのは仕方がない気がするのですが」

「私はもっとソフトボールが上手になりたいと思っているので、その場その場でアドバイスをしていただきたいのですが」

まさに正論。筋が通り過ぎた意見です。さあ山田先生の返事はいかに?

山田先生はニヤリと口角を上げ、ゆっくりと口を開きました。

「……そうだな。俺もそう思うよ」

小林さんは混乱してます。なんだろう?どういうことなんだろう?

山田先生が言葉を続けました。

「ちゃんとその日のうちに良くないところを指摘してもらって、その日のうちに改善をすべきだよな。ソフトボールが上手になりたかったら当たり前だ」

「だから良くないところの指摘が無いまま5日も過ぎてしまったことに不満があるってことだよな?よくわかるよ、その気持ち」

目をつむったままゆっくりとここまで話し終えると、ここでパッと目を見開いて話を続けました。

「小林、この前提出してくれた数学の夏課題、最後の5ページがマル付けされていないまま提出してくれたよな」

「今回のソフトの練習の話ととても似てるんだ。そう思わないか?」

「小林は『あれはマル付けをただ忘れただけだ』なんて思うかもしれないけど、数学担当の俺から言わせたらそんなことはあり得ない」

「本当に数学を出来るようになりたいならば、『マル付けを忘れる』なんてことは起こりえないんだよ」

「小林が自分で言ってくれたよな?『初日の悪いところはその日に指摘してくれていたらそこで改善するから、2日目に同じ悪いところが出ることは無かった』って」

「数学だって同じだ。1ページずつ細かく区切ってマル付けをして、その場その場でミスを確認していたら、次のページに出て来る同じパターンの問題で間違えないだろ」

「小林がマル付けをしないまま取り組み終えたラストの5ページは、今日のソフトの話と一緒。改善無いままのやりっぱなしの5ページだ。数学の理解が深まると思うか?」

「良くないところの確認が無いままマル付けを5ページも溜めてしまった小林に、俺は不満があるよ。この気持ち理解出来るか?」

「小林がソフトボールが上手くなりたいからその場その場で指導して欲しいって言ったように、俺も小林に数学が出来るようになってほしいから1ページごとにマル付けをしてその場その場で改善をしていって欲しいと思うよ」

ぐうの音も出ないとはこのこと。先生の正論につぐ正論で完全敗北です。

小林先生は最後にまとめるように言いました。

「『マル付けを溜める』という時点で勉強が出来るようになりたいと強く思っていない証拠!」

「『マル付けを溜める』という時点でその取り組みは課題を終わらせるというただの作業になってる証拠!」

「マル付けは必ず1ページずつ取り組むこと。多くても見開き1ページまで!」

「解答が手元に無い状態で問題集に取り組むなんてことは絶対あってはならない!」

・・・

・・

架空のコントはここまでです。

それにしても大事なことを伝えるためとはいえ、なかなか嫌味なことをする担任ですよね(笑)

しかし、小林さんは口頭で10回言われてもピンとこなかったかもしれないこの話題、この1回で胸に深く刻み込んだことでしょう。

そして二度とマル付けを溜めることは無いことでしょう。めでたしめでたし!

さて、実は当塾では今日が中1中2の夏課題点検日なのですが、恐ろしいページ数のマル付けを溜め込んでいた生徒がいてのけぞりました(苦笑)

何度も伝え続けてるはずなのですが、その内容をキャッチしてくれたかどうかは別物ですよね。めげずに伝え続けるのみです。

こんな経緯があって、今日はこんな話を書いてみました。

「そうそう、ホントそう!」なんていう中学生保護者が本人のLINEにこの記事のアドレスを転送してくれる姿が目に浮かびます(笑)

今回のこの記事は我ながら伝わりよく書けたのではないかと思うのですが、そもそも文章読まない生徒には届かないよなぁ~(+_+)

手を変え品を変え、伝え続けていきたいと思います。

当塾は明日8日から16日までお盆休みに入ります。(中3日帰り勉強合宿は9日10日開催)

この期間は色々更新滞りますが、どうでもいい余談ぐらいしかUPされないかもしれませんが、またお盆明けにお会い出来たらと思います。

今日はこのへんで。

それでは。

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國立拓治

愛知県岩倉市と兵庫県伊丹市にあるさくら個別指導学院の塾長。2005年より愛知の中学生親子の力になれるよう当ブログを日々更新。月間最大50万PV。拙著「くにたて式中学勉強法」は12刷重版!著書累計は6万5千部突破!休日は余談も発信!3度の飯より飯が好き。詳しいプロフィールはこちら。