学習指導の現場から「豊明市のスマホ1日2時間条例」に賛成をします!

先日発表された豊明市のスマホ条例案が世間を騒がせていましたね。

2025年8月25日のNHKのWEBニュースではこのように報じられていました↓

愛知県豊明市は、仕事や勉強以外でのスマートフォンなどの使用は1日2時間以内を目安にするよう促す条例案を25日、市議会に提出しました。市によりますとすべての市民を対象にスマートフォンなどの使用時間の目安を示した条例案は全国で初めてだということです。

25日開会した豊明市の市議会に提出された条例案は、スマートフォンやタブレット、ゲーム機などの長時間の使用は、睡眠不足などの健康面だけではなく、家族の会話が短くなるなど家庭環境にも悪影響を与え、子どもの健全な生育を妨げるおそれがあるとしています。

そして、こうした悪影響は子どもだけではなく幅広い世代で課題になっているとして、すべての市民と市内の学校に通う18歳未満の子どもを対象とし仕事や勉強、家事以外でのスマートフォンなどの使用は1日2時間以内を目安にするよう促すとしています。

18歳未満の子どもの使用については時間帯の目安も示され、小学生以下は午後9時まで、中学生以上は午後10時までとすることが盛り込まれています。

条例案に強制力や罰則はないということです。    

1日2時間を目安にして使いましょうと。この条例に対しての世間の反応がこちら↓

一方、この条例案をめぐっては市の発表後の今月21日から25日正午までにあわせて110件の電話やメールが寄せられ、7割ほどが反対意見だったということです。

豊明市の小浮正典市長は「スマートフォンが便利で生活に欠かせないことは前提で、1日2時間をすべての市民に押しつけるのではないかという誤解があったと思う。あくまで2時間を目安とし、睡眠時間や家族との関係などを見つめ直すきっかけにしてほしい」と話しています。

条例案が市議会で可決・成立すればことし10月に施行される見通しです。

この騒動に対する専門家の意見がこちら↓

子どものインターネット利用の実態や対策に詳しい成蹊大学・客員教授の高橋暁子さんは、豊明市の条例案について、「2時間という目安が示され、スマホの利用時間の長さや使い方について考えたり話し合ったりするきっかけになるのが最大のメリットだ。実際の調査でも保護者の利用時間が長いほど子どもも比例して長くなることが分かっているので、子どもだけではなく大人も制限してうまく使っていこうというのは正しいと思う」としています。

一方、SNSなどで条例案への批判の声が相次いだことについては「利用状況や年齢などに応じてふさわしい利用時間の長さは違うと思うが、『2時間』という数字だけが1人歩きしている面がある。スマホをうまく活用できていると考える人たちにとっては、『何でそんなことを言われなければいけないんだ』という気持ちになり、反発が出たのも当然だった。着眼点は悪くなく、生活に支障が無い範囲で子どもも大人もうまく使いましょうというメッセージだったと思うが、それが少々伝わりづらかったのは残念だった」と述べました。

なるほどなるほど。

専門家の方がおっしゃるように、ちょっと「2時間」が独り歩きしてそうですよね。

誤解を生んでしまったようなので、豊明市長が補足をWEBに出してます。

こちら。

今月25日から始まる当市令和7年9月定例月議会に上程している「豊明市スマートフォン等の適正使用の推進に関する条例」案の中身について、主にネット上で誤った記述が散見されますので、20日の記者会見当初からお伝えしている正しい情報をお伝えします(条例案を参照)。

  • スマートフォン等が便利で生活に欠かせないことを肯定的に認めていることを前提としています。
  • スマートフォン等の使用時間の目安を2時間以内としている対象は、生活、仕事、家事、学校、学習時間等を除いた市民一人ひとりが自由に使える「余暇時間」についてです。 たとえば、通勤・通学時間は余暇時間に含みませんし、料理や運動時にスマホの動画を参考にするのも余暇時間に含みません。オンライン学習も含みませんし、eスポーツの大会を目指して練習する時間は他のスポーツと同様、含みません。
  • 余暇時間におけるスマートフォン等の使用を1日当たり2時間以内とするのは、あくまで「目安」です。市民お一人おひとりに、必要な睡眠時間、食事や運動など生活全般、学習、家庭内での役割、家族をはじめ大切な方とのコミュニケーション等、1日の過ごし方を見つめなおしていただき、いずれも支障がないのであれば、2時間が3時間、4時間となったとしても何ら問題はないと考えています。休日は長く使用するといったことも各自で支障がなければ同様に問題はないと考えています。
  • 本条例案には、「~なければならない」や「~努めなければならない」といった市民の方々に権利を制限したり、義務を課したりする文言はありません。第6条「保護者の役割」でも「努めるものとする」との表現にとどめています。市民の方々が時間をどのように使うかは各自の自由であることは当然のことです。条例案が余暇時間におけるスマートフォン等の使用を1日当たり2時間以内とすることも市などが「促す」にとどまります。市民お一人おひとりによって生活状況は異なります。「目安」を参考に、各自の使用時間や使用時間帯等を見つめなおしていただきたいと考えています。また、家族が同居している場合には、各世帯で各自の使用時間や使用時間帯のルールを決めていただけるよう「促す」ものです。
  • 重ねてお伝えしますが、本条例案はスマートフォン等の機能を肯定したうえで、スマートフォン等の過剰使用が睡眠時間をはじめとした身体面、精神面及び生活面への悪影響を引き起こさないよう対策を推進することを目的とするものです。

最後に、本条例案はあくまで「案」であり、成立していません。案が可決されるか否決されるかは議会の判断次第です。議会での審議を経て、議会が仮に可決した場合に施行されることになります。

令和7年8月22日

豊明市長 小浮 正典

なるほど。

「スマホはもちろん必要だけど、使いすぎて心身へ悪影響を及ば差ないように皆で気を付けましょうよ」

なんていう呼びかけですよね。

いいじゃないですか。私は大賛成です。

塾でもスマホに依存してしまってる生徒がいます。おそらくその結果、塾で日々ウトウトしている生徒もいます。

生徒たちの成績を上げようと思うと、まず第一に生徒が健康じゃないと話が始まらないんですよね。

勉強に限らず、全ての活動は睡眠不足であればそのパフォーマンスが下がりますから。

睡眠不足であると、取り組む全てのことの成果が2割3割減になってしまう感覚です。

私は自分の本でも

「寝るときは寝室からスマホを出す。子どもを睡眠時間を削る遊びの誘惑に晒さないこと」

と何度も書いてきています。

「勉強の意義がまだピンと来ない」「自分の体力を過信してる」「時間が許す限りのめり込んで遊びたい」

こんな状況が揃っている中学生に、何でもできるスマホを枕元に置かせたらどうなるのか。

想像してほしいんですよね。

ダイエット目指して運動するときに目の前にケーキ置かないじゃないですか。

学力向上を目指して生活しているところの枕元に睡眠時間を削る元になるスマホを置くべきじゃないんです。

子どもを信頼するとかしないとかじゃないんです。ただ危険なんです。

小学生の部屋に刃物やライターを保管しないじゃないですか。一緒ですよ。

あぁ、少々熱くなってしまいました(笑)

私自身が「勉強の意義がまだピンと来ない」「自分の体力を過信してる」「時間が許す限りのめり込んで遊びたい」中学生であったので、危険をリアルに感じるのです。

もしも私が今中学生であったなら、スマホの制限が家庭でなにもかかっていなかったら、

睡眠時間は日々3時間ほどで毎日YouTubeやスマホゲームに熱中していた自信があります。

日々ボーっとしながらも、ただ消費するだけの遊びに溺れていた自信があります。

この条例があることで、意識が低い家庭でもスマホの使い方が話題になるでしょう。

家庭内で子どもの方が意見が強い家庭もあります。また、子どもが親の目を盗んでスマホで遊んでる家庭もあります。

こんな家庭が、この条例をきっかけに、「●時以降はスマホを禁止しよう」なんて、よりよくスマホを使う習慣を作るきっかけになるといいですよね。

学習指導現場から言わせてもらえれば、睡眠時間が確保できるだけで大満足です。

よって、今回の条例案は2時間という使用目安時間であったり、大人も対象になってますが、

スマホ使用は小学生以下は午後9時まで、中学生以上は午後10時までとする。

だけで良い気もしてますけどね。

これがあるだけで、家庭で買い与えるときにこのルールありきで使えると良いです。

保護者が強権を発動することなく、「条例だからね」なんて、子どもたちの睡眠時間を守れたらいいなと思います。

豊明の条例案が通過することを楽しみにしたいと思います。

今日はこのへんで。

それでは。

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國立拓治

愛知県岩倉市と兵庫県伊丹市にあるさくら個別指導学院の塾長。2005年より愛知の中学生親子の力になれるよう当ブログを日々更新。月間最大50万PV。拙著「くにたて式中学勉強法」は13刷重版!著書累計は10万部突破!休日は余談も発信!3度の飯より飯が好き。詳しいプロフィールはこちら。