1996年、今から20年以上も前、私はある学習塾の最終役員面接に臨んでいた。
「どんな授業をしていきたいですか?」なんていう役員からの質問に私はその時に思っていたことを真面目に答えた。
「『なぜ勉強をするのか?』を一緒に生徒と考えるような授業をしたいです」
それを聞いてその役員は「ふっ」と鼻で笑った。
なんだかショックで記憶に残っている。それでもその塾でしばらく働き始めて、その役員の気持ちも知る。
「点数や成績などで結果が出ないものは、基本的に保護者は塾に求めていない」ということを働き始めて肌で感じたのだ。
「より良い教育をしてみたい」なんて想いも、そこにそれを求める人がいなければただの戯言。
もともと塾は公教育の歪みを支えるように成長してきた産業。公教育ありきの塾が大半だ。
公教育の指導システムや受験システムの中でよりよい教育を目指す。塾ってそういうところでしょって思うようになっていった。
・・・でも違っていた。
就活のときに抱いていたような理想の勉強を体現する塾があった。
塾の当たり前をぶち壊す、公教育の枠を出た教育サービスが少し前から出来ていた。
それが「探究学舎」だ。
前置き長くなりました。知り合いの先生に見学会に誘っていただき、話題の「探究学舎」に見学に行ってきました。
ご存じでしょうか?TV番組「情熱大陸」でも取り上げられた塾です。このブログでもその際に記事書いてます。
元々代表の宝槻さんは高校も塾も行かずに3兄弟ともが京都大学に進学したという家庭の方です。
父親のその子育ての様子を記した書籍の方を先に知ってました。「あの本の兄弟の人が塾を始めたらしい」ぐらいの認識でした。
その取り組みが新しく、テレビで取り上げられるぐらい有名になったわけです。
私は宝槻さんの回の情熱大陸を見てますから予習は充分。いざ、探究学舎!
・・・
・・
・
んー、まったくもってスゲーところでした。
「圧倒されそうだから探究学舎の情熱大陸は見ない」なんてツイッターで呟いていた塾の先生が思い出されます。
まさに圧倒でした。写真で振り返りましょう。
東京都三鷹にありました。
先進的な企業はレインボーカラー使ってくる説!
1つのテーマについて授業を2カ月行うとのこと。90分の授業を全8回でしょうか。生徒は地域の普通の子が多い雰囲気(とは言え都内ですけどね)2人の子が持っていたスイッチのマリオに集まる感じとか、やはり普通の子たちに見えました。
各テーブルに補助の講師が入るようです。前で話すメイン講師と補助の講師たち、子どもたちの驚きと感動を育てる場所なので、子供との関わり方は塾とは違います。
一切子供をたしなめない。一切子供を否定しない。「はい、じゃあ先生の話聞いて!」とか言う授業の指示も一切ない。
興味あり過ぎる子もいれば、興味薄めの子ももちろんいて。興味薄めの子に対して「ほら、みんなで先生の話を聞こうよ」なんて促しも無い。本当に自然体。
「はい、興味持ちましょう!」なんていう授業も変な話で。指導側はひたすら驚きと感動の種を撒き続ける。発芽を祈って。
途中、興味薄めの子が座布団を重ねまくって遊んでみたり、机の上に寝転がってみたいする子がいたり。度が過ぎるときは注意しますとはおっしゃってましたが、これは範疇の中のよう。
そんな子たちもいる中、興味の種を撒く授業は続きます。大人も興味が出るような映像に差し掛かったら、他事していた子どもたちも含めて全員でこの食い入りよう。
「子どもたちにこの授業でこれを覚えて帰ってもらおう」というような到達点は未設定。飽くまで先人たちの知恵と努力の結晶を驚きと感動を添えて子どもたちに伝える授業。
しっかり作りこまれた授業で、小学生にも伝わるように工夫が散りばめられている。
直接学校の点数には繋がらない。あらゆるものへの深い興味を育てて行くことで自ら学んで行くだろうなんていうこの取り組み。
夏休み限定の特別授業ではなく、これを年中常に行い常に子どもたちをワクワクさせる。
就職活動時の私が思ったように、「勉強へのやる気の源泉に目を向けて指導してみたい」なんてことは多くの塾や学校の先生が思ったことがあることで。
これを実際に実現して、ボランティアとかではなく商売として成り立たせている。
探究学舎の社員の子も実際にここに通うようで、その子は「遊びなのに勉強になって最高じゃないか」と大喜びなのだとか。
これは凄い。塾と同列では語れない。参りました。
「圧倒されそうだから情熱大陸は見ない」なんていう塾の先生のツイッターの呟きはそのとおり、圧倒されるものでした。
しかし、だから見ないというのはもったいなくて、しっかりと見ておくべきだと私は思います。
とても貴重な見学となりました。こんな塾見学は初めてです。探究学舎のスタッフの皆様、宝槻さん、ありがとうございました。
この取り組みを実現してしまう感じは、宝槻さんの育ち方にヒントがあるのかもなぁと、授業見学中にAmazonにアクセスして、父親の話の書籍を買っちゃいました(^^;)
あ、ここでも読めますね↓ビリギャルと一緒ですね。
さてさて、「なにこれ!?こんなところに我が子を行かせてみたい!でも東京の三鷹は通うには遠い!」なんて全国の保護者の皆様。
夏休みには人気講座が2DAYsに凝縮して実施されるそうです。三鷹ではもちろんのこと、名古屋や京都や大阪でも特別に実施されるそうです。
東京三鷹ではほぼ連日開催!宝槻さんが担当される授業もあるみたいですね(^o^)1泊2日での東京参戦もいいですよね。
ご興味あれば詳細はこちらから↓申込みはアプリからだそうです。
指導内容で真似できるところなどほぼありませんでしたが、やりたいことに取り組む心意気、青く広がる海に舟を漕ぎ出す感じ、見習わせてもらいます!
今日はこのへんで。
それでは。
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國立拓治
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