小中学校の先生、速さ指導時の「みはじ」利用反対派0人説

塾の先生がSNSで盛り上がってしまう話題の常連が「みはじ」です。

みはじとは速さの指導時に利用する図ですね。ジャンケンの掛け声のように地方地方で呼び名があって、「きはじ」「はじき」なんて呼び名でも呼ばれますね。

一言で言うと「これを使うと理解を妨げるし、邪道だ!使うな!」という利用反対派と「そんなことない。総じて使うべきだ!」という利用容認派とがSNS上でケンカしがちなんです。

(ちなみに私は昔も今も利用容認派で活動をしております)

過去にこの話題で何度か書いてきました。今回も少しだけ。

今回お伝えしたいのはタイトルの通りです。

「みはじを使用した速さの指導を批判したりする小中学校の先生っていないのではないか?」

と私は思っています。

「小中学校の先生、みはじ反対派0人説」と言っていいでしょうか。

「勝俣州和のファン0人説」と同じぐらいの信ぴょう性のある説じゃないかと私は思っています(´▽`)

実際、小中学校の先生がみはじを使用した速さ指導の批判をしているところを、SNSで私は見たことが無いんですよね。

理由はとても簡単で、私が思うに、

●速さの単元を全生徒に理解して定着させることが不可能に近いことを、公教育指導現場で体験して知っているから。

●自分自身がみはじ無しで速さの指導をしていても、それが他の人での再現性が高く無いことをわかっているから。

ですね。

時間をかけて一人二人を本質的に理解をさせることが出来てもそれでは意味がありません。

公教育では限られた時間で様々な学力の生徒たちに理解をさせなくてはいけません。

これがめちゃくちゃ難しいのでしょう。

無理という言葉は使いたくありませんが、つい無理という言葉が出てしまう状況が公教育の現場では広がっているのだと想像しています。

「砂漠に水を撒く」ような思いを指導現場で経験したことがあるかないかが、みはじの派閥を分ける境目のように感じてます。

小中学校の先生方はこの経験をしているので、声高に「みはじ利用反対!」なんて言う方がいらっしゃらないのではと思います。

ちなみにみはじに対する私の意見のまとめはこちら。

●上位の子はみはじで学ぼうが本質的理解にたどり着き、下位の子はみはじで学んだ表面的理解が実生活で活きる。

●中位の子でみはじで学んで表面的な理解をしてしまっている一部の人は、大学進学を目指すならしっかりと学び直すべき。

●本質的理解と表面的理解の合計はみはじも利用した現状での指導が一番多く、全体を見たときには現状でのベストな指導であると考える。

●ただみはじは批判あるように弱点もあるので、これに代わって本質的理解と表面的理解の合計が一番多くなる個人技に頼らない指導があればそちらが良いと思う。

作ってみた図はこちら。

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以上です。

この話をすると、生存者バイアスについて語る時に出てくる戦闘機の図を思い出すんです。(生存者バイアスのウィキから図をお借りしてます)

戦争時、敵の弾を受けながらも基地に帰ってきた飛行機の「弾を受けていた場所」を集めて示した図です。

敵の弾を受けていない部分がいくつかありますよね?ここへの解釈が正しく出来るかどうかです。

まさか「敵の弾を受けにくい箇所」だなんて思っていませんよね?

この弾を受けていない箇所というのは、そこに弾を受けた飛行機は「墜落して基地まで戻ってこれなかった」ということを表しているんですよね。

本当かどうかは知らんですが、そんな風に語られる図です。

今回の話題がこれに似ている気がしていて。

今回の話で言うと、「学校の先生からみはじを批判するような言説をSNSで見ない」というのは、飛行機の図の弾を受けていない部分と感じてます(´▽`)

SNSで見ないのには理由があるからですよね。繰り返しになるのであえて書きませんが、先ほど主張した通りです。

とはいえ、見かけないのは学校の先生は実名でのSNSでの情報発信を制限されていることが多いのもありますかね。

あとは、「みはじなんか使ったら正しい理解を妨げられる!!」なんて学校の先生が熱く語ると、返す刀で「ではあなたのクラスの指導でどうやっているかを成果と共に具体的に教えてください」となって困りますからね。

そしてそこから

「ぜんぜん生徒皆の理解を得られてないじゃん!」

「めちゃ時間かかってるし現実的じゃないじゃん!」

「お宅の小学校の学力レベルが高いだけじゃん!」

「あんたは出来ても他の先生が再現出来ない手法じゃん!」

という展開が予想されます。そう思うと公教育指導現場の先生方は簡単に反対も出来ないかなと。「じゃあ実際見せて見ろ」とすぐに言われますからね。

以上です。

塾の先生間でワイワイ盛り上がりがちなお話でお送りしました。

今日はこのへんで。

それでは。

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國立拓治

愛知県岩倉市と兵庫県伊丹市にあるさくら個別指導学院の塾長。2005年より愛知の中学生親子の力になれるよう当ブログを日々更新。月間最大50万PV。拙著「くにたて式中学勉強法」は12刷重版!著書累計は7万部突破!休日は余談も発信!3度の飯より飯が好き。詳しいプロフィールはこちら。