「先生、教えてください」なんて、学校の数学のワークを手にKさんがやってきた。
2次方程式の文章題ですね。
「作った式が答と全然違うんですよ~」とKさん。問題と解答を持ってきました。こちら。
ほうほう、最初に式から全然違うっていうのは、おそらく文字で置くところからズレているのでしょう。Kさんに聞いてみました。
「まずなにをXと置いたの?」
困るKさん。「えーっと・・・なんだろう?直方体の縦と横の長さ?」
「そんなわけねーだろ!ちゃんと何を文字で置くのかが書いてあるって!読んでみろって」
黙読させた上でのKさんの返答は・・・「えーわかんないです。直方体の縦と横じゃないんですか?」
コノヤロー。やはり読んでないな。「わかった。音読しろ。最初から音読して聞かせてよ」
しぶしぶ読み始めるKさん。
「横が縦より4センチ長い厚紙がある。・・・・」ほうほう。
「この4すみから1辺が3センチの正方形を・・・」ほうほう。
読みすすめて核心に近づいてきました。
「はじめの厚紙の縦の長さをXセンチとして・・・あーわかりました。縦の長さです!」
「だろ?黙読でどこ読んでたんだよって話だよな。じゃあ次はXがこの図でどこにあたるのかを書き込んでみてよ」
「まてまて。だからちゃんと読めって。何を文字で置いてるかもう一度確認してよ」
何度か押し問答をして「あー!はじめの厚紙!」とKさん。もうホント(^_^;)
「じゃあ、ここをXとするなら、このはじめの厚紙の横はどう表せるのよ?」
「えー・・・わかりません」
「だから書いてあるってば。わかったよ、また音読してみろよ」
今回はいきなり核心がやってきます。
「横が縦より4センチ長い長方形の厚紙がある」
「・・・・・・この4すみから」
まてって!!
読み進めるな!!なぜ止まらない?(゚д゚)!
Kさんは私に衝撃的な事実を爽やかに教えてくれました。
「違うんですよ~。私いつも文章題あんまり読んでないんですよ~。長い文章題だとだんだん面倒くさくなってきちゃって、読まずに解くクセがついちゃってるんです」
「出てきた数字を組み合わせてなんかすればいいって考えてるんです」
「私が思うんですけど、大事なことってだいたい最後の方に書いてあるじゃないですかぁ~」
「だから、いつも最後の方に書いてあることを使って解くんです」
「一番最初に大事なことが書いてあるって思わないじゃないですか~」
あまりの衝撃で視界がホワイトアウトしそうでした(゚д゚)!
あぁ、だから頑なに最後に書いてある部分をXと言い張ったんだ・・
あぁ、だから問題文冒頭の部分は、文字面だけ読んで、そこに心が無かったんだ・・
「もともと読解力自体が無いのか?」と思って、昨日読んだ本の読解力テストを少しやらせてみましたが、それほど結果は悪くない。
ということは、やはり自分で変なルールを作ってしまって、粘り強く文章と向き合って解いていないということが主な原因のようですね(*_*)
爽やかに心の内を教えてもらえたから今回はどこがどう悪いかがよくわかりましたが、こんなに爽やかに自分の出来ない部分を説明してくれる生徒ばかりじゃないですからね(^^)
なんだかとても勉強になりました。
まずはじっくりと文章と向き合って解いていけるように、ですね。
今日の指導のハイライトをご紹介しました。
今日はこのへんで。
それでは。
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國立拓治
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