余談気味でお送りします。
先日100マス計算を世に広めた陰山英男先生が主催する「徹底反復研究会」の学校の先生対象の勉強会に参加してきました。
厳密に言うと「どなたでも興味あればどうぞ」という勉強会なのですが、やはり学校の先生が一番多い参加者のようでした。
塾の先生も何名かいらしてましたが少数派でしたね。塾向けの勉強会はずっと参加してきましたが、学校の先生がメインの勉強会は初めてでしたのでとても新鮮でしたね。
私が一番新鮮に感じたのは、学校の先生たちの勉強会に対する姿勢でした。
夜の親睦会でのことです。隣に座った学校の先生に挨拶をしたあと、その先生が私に最初にした質問がこんな質問でした。
「今日の勉強会の中で一番印象に残ったのはどんな内容でしたか?」
おっと、なんだか新鮮です。純粋に今日の勉強会の内容についての意見を交換することを求められました。
もしも塾の先生だったならば・・どこで塾をやっているのか、どんな形態なのか、とかお互いの塾についての話をし始めるように思うんですけどね。
あとは基本的にはこういった勉強会には塾の経営者が参加することが多いので、経営についての話になったりすることも。
ちなみに席替えをして新たに隣に座った学校の先生も同じ質問を私にしてくれたんですよね。学習指導に関しての気持ちの占める割合がとても大きいなと感じました。
これはなんだろう?どういうことなんだろう?学校の先生と塾の先生でこのへんはナゼ違うんだろう?
ちょっと考えてみました。
学校の先生は学習指導に100%力を注いでいるのではないか!?
基本的に常に学習指導に100%の力を注いでいるからじゃないかと思いました。
経営面の心配をする必要が無いのです。新しく学んだ内容をどのように授業料をもらう指導の中に組み込むのかを考える必要が無いのです。
だから純粋に指導法とかその成果とかに強く興味があるのかなと。
んーなんか嫌味っぽくなっちゃってるかな。そんなつもりで書いてないんだけどな・・
塾の先生は学習指導と共に経営面にも意識を配る必要がある!
この勉強会に参加して、小学生への指導法を実際の小学校の指導実例から学んでいる最中、私の感想はこんな感じです。
「凄い!素晴らしい!うちの指導に取り入れたい!・・・さて、とは言えどこにどうやってねじ込もうか」
「お金をもらって新しいコースを立ち上げる?いやキツイな。今の指導に追加で加える?いやそれもキツイ」
「学校の指導と違って指導時間が大きく限られるし、毎日の積み重ねの指導は塾に不利だな。家庭に協力を仰ぐ?むむむ・・これは難しいな」
限られた時間の中でどう取り入れて、どうお金をいただけばいいのか、これを考える必要があるんですよね。
「素晴らしい学習指導を実施する」ということと「商売として成り立たせる」という2つを満たさなくてはいけませんからね。
「ここが一番大きな違いだなぁ~」なんて学校の先生方と話していて感じました。
同じ「先生」というくくりではありながら、こういった違いがあるんですね。
ちなみに今回のこの記事、「学校の先生より塾の先生のほうが大変だし素晴らしいんだぜ」なんてことを言いたい嫌味記事ではないです(^^;)
学校の先生の方が断然大変だと思ってますし、そもそも学校の先生は違う方向にとても大きな苦労があるように感じました。
私が今回感じた学校の先生の大きな苦労は・・・
学校の先生は「学年全体」「学校全体」を巻き込んで新しい指導に取り組む必要がある!
これです。これが大変過ぎます。こういっちゃなんですが、保守的な先生が学校には一定数いると思うんです。
公務員ですし、自分のクラスは自分のやり方でやりたいでしょうし。そんな先生が学校の要職に就いていたならば、現場の先生が新しい指導を提案しても実現率が低いのです。
ベテランの先生が新しい指導を提案したとしても、やはり保守的な人がそれを阻むのだろうと。「前例が無いから」と。
実際に革新的な陰山先生の指導方法が学校全体・市町村全体で採用されてきたのは、基本的に規模の小さな地方公共団体が多いようです。
説得する人数が少ない小さめの地方公共団体はスピード感を伴って実行できるんでしょうね。逆にある程度の規模の地方公共団体であると、大きな変更は一筋縄ではいかないのでしょう。
うまくいかないからといって自分のクラスだけでバリバリ取り組んで自分のクラスだけ成果が出てしまったら、それはそれでまずいんでしょうね。足並みを揃えろと。
ここが大変です。他人と協力して仕事を進めることがヘタッピな私には真似できないですね(^^;)
学校の先生は大変だな。塾の先生も大変だけど。
その大変さは方向性が違うんだな~。
そんなことを感じた勉強会でした。
余談気味でお送りしました。
今日はこのへんで。
それでは。
國立拓治
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