内部生の面談が続いています。
今回の期末テストでは岩倉中3年の5科平均点がとても低かったです。
各科目の平均点は国語45.9社会51.1数学54.4理科54.8英語53.3でしたね。
前回の平均点が高めだったこともあり、今回のテスト結果で通知表をつけるにあたって点差が開かないと付けにくいという事情があったのではないかと推測します。
恐らく各科目のテスト作成者に平均点を下げて作るように指示が出ていたでしょうね。
そんな事情を知らない生徒たち、見た目の点の低さだけでがっかりしてる子多かったです。
Hさんなんかは「全然とれなかった。ダメだった」なんてがっかりして現れました。しかしどうも平均点を見る限り彼女にとっての過去最高順位が狙える点数です。
「いやいや、平均点見なよ。この平均点の合計がだいたい学年順位の半分になるんだよ。ってことは今回過去最高順位狙えるよ?」
「え?そうなの?」
彼女はいきなり地獄から天国へ。次の日からは「学年順位が帰ってくる日が待ち遠しい」なんて言い出す始末(笑)
これは保護者にも同じことが起こったりします。今回の平均が5科目全て低かったので、全科平均より5点10点上の点数を取ってきても見た目は60・60・60・60・60。
面談で「全然点がとれなかったんですよね」なんて少しがっかりした様子でおっしゃった保護者もいらっしゃいました。
「いえいえ、お母様、今回は平均点が全科とても低かったです。実はお子さんにとってのベストの頑張った結果でしたよ」
データをお見せしてお話すると「確かにテスト前は頑張って取り組んでいたけど、そうだったんですね」なんてホッとした様子を見せていただけたり。
高得点を取ることとベストを尽くしていることはイコールではない!
今回こんなやりとりを何度かしていたら、以前読んだ本に書いてあった内容を思い出しました。どの本だったかなぁと調べた結果見つかりました。こちら。
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以前も紹介したことがある書籍ですが、ここに書いてあった一節を思い出したのです。内容はこんな風でした。
アメリカイリノイ州での話です。体育教師のローラーが生徒皆が身体を動かせるようにと週に1度長距離を走らせる有酸素運動を取り入れたそうです。
そこで能力の評価が走るのが遅い生徒たちのやる気をなくさせることに気づいたそうです。
スポーツの才能が無くても誰でも努力次第で体育でいい成績を取れるようにしたいということでローラーは策を考えます。
「どうすれば40人の生徒一人一人がベストを尽くしたのかどうかをいっぺんに評価できるだろう?」
そんな悩みを解決したのが心拍計だったそうです。心拍計で各生徒の心拍数を測ってみれば、その数値でその子にとってベストを尽くしたかどうかがわかるだろうということです。
試しに体型はスマートでも運動が苦手な6年生の生徒に心拍計を付けて走ってもらったそうです。
その生徒が走ったときの平均心拍数は187!年齢的な運動時の最大心拍数は209らしいので、彼女はほぼ全速力で走っていたことになるそうです。
ゴールした瞬間は207まで上がっていたそうです。正に限界の頑張りです。
ここでのローラーの台詞そのまま書きますね。
「おいおい!嘘だろう?思わずそう言っていました。いつもなら、その子のところに行って、もっと真剣に走らなきゃだめだ、と注意していたところです。まさにそのとき、計画全体に劇的な変化が起きたのです。その心拍計が全ての出発点となりました。思い起こせば、教師がほめてやらなかったせいで、どれほど多くの生徒が運動嫌いになってしまったことでしょう。実際のところ、体育の授業であの女の子はだれよりもがんばっていたのです」
ローラーは、速く走れることとベストを尽くしていることは、必ずしもイコールではないということに気がついたのだった・・と本には書いてありましたね。
そうそう、これこれ。ここだよ。ここをしっかり見てあげなきゃいかんよな。
興奮して読んだ部分でした。この「運動」を「勉強」に置き換えて考えていけばいいよな。その生徒がベストを尽くせたかどうかが数値で見れたらいいよな。
この心拍計にあたるものが学習指導でもあるといいよなぁ~なんて想いを持って過ごしてましたが、先日澤木先生と相談して良いものを作りました。
発端は大田先生が自分の成績を平均点との数値差で内申を予想したなんて言っていたところから。
そこから平均点との差を明示したエクセルの成績表を見たことと、この本のかすかな記憶が合わさって、当塾の大事な心拍計になりそうなものを形にしたのです。
こちら。
その生徒の各定期テストの点数と平均との差、そしてその結果通知表がどうなったかが一覧で見ることができる表です。
言葉で説明してしまうと「なぁ~んだ」ですが、私にとっては大発明ヽ(^o^)丿
既存のものを組み合わせただけですけどね。まぁ見やすいし、まぁ生徒の努力のほどがよく見える。
こんな表があったら指導しやすいよねと私がアイディアを出して、レイアウトを澤木先生と考えた日に、澤木先生が即日作ってくれました。
当塾で入力していた生徒の成績管理のデータから欲しい情報を吸い出してこの表に反映しています。
どれだけ頑張れたかが一目瞭然。冴えない点数に見えた今学期の社会は実は中学3年間で一番頑張った結果だった!とかザラにあるんですよね。
まさにローラーの心拍計の例と一緒です。これはその子にとってのベストかどうかを見るためにとても良さそうです。
たとえば通知表では3としか表されていませんが通知表の3はとても広いです。2に近い3と4に近い3の実力は雲泥の差です。
この表ならばその同じ3の中でも2に近いのか4に近いのか、授業態度に助けられてるのか足を引っ張られてるのかが一目瞭然。
また、変わらぬ3だけどこれだけ良くなってきているというのが少数第一位までの細かさで見ることができます。
実は記事の最初に書いた保護者にもこのデータを見せました。これだけわかりやすく数値にされてしまうと納得せざるえないですよね。
作ってよかったです。学校が平均点を発表しているところだけの表になりますが、これから生徒指導や面談時に活躍してくれそうです。
まだ全学年平均点入力が出来ていないので出せていない学年もありますが、早速この表を元に面談を進めていきたいと思ってます。
準備できた学年から作成してますので、面談時に健康診断の結果表を待つような気持ちでお待ち下さい♪
最近作った成績管理の表を感銘を受けた本の一節と共にお送りしました。
今日はこのへんで。
それでは。
國立拓治
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