2年前ぐらいの話です。
一生懸命勉強に取り組む受験生の女の子、真っすぐな子です。
名古屋市内のTOP校を目指してやり過ぎなぐらい勉強をしていた子でしたね。
理解を深めた時とか、新たに取り組める教材なんかを紹介したときの目の輝きがまぶしい子でした。
こんなに前のめりに楽しそうに勉強に取り組んでくれるだなんて、「塾講師冥利に尽きる!」なんて思わしてくれる子でしたね。
拙著「くにたて式中学勉強法」で紹介した、青マーカーで社会の教科書をグリグリに塗りつぶして取り組んでいた生徒です(^^)
さて、その子がいつものように塾の自習室で自習をしているときのことです。
彼女が座っていたのは学習指導をする手前の部屋と、自習専用の奥の部屋をつなぐ扉の近くの席です。(自習専用部屋側にいました)
すぐに質問ができるようにか、彼女はいつもこの扉の近くに座っていることが多かったです。
2部屋を繋ぐ扉は私たちが行き来することも多く、適度な喧騒は自習室にあっても良かろうと基本的に開いてます。
こんな状況の元で、彼女が怪訝そうな表情をしていました。
なんだろう?何か困ることあったか?
しばらくして彼女が私のもとにやってきて言いました。
「先生、この扉閉めて良いですか?」
面食らいましたが、私は少し大げさに言いました。
「だ め だ ね」
手前の授業の声が気になって集中出来なかったということでしょう。
この間をつなぐ扉が開いたままなことが多いことは最初からの状況。
質問しやすいようにと自分から扉の近くに座っておいて、隣の指導の声がうるさく感じるだなんて調子こくにもほどがあります。
静寂が欲しければ自宅の自室に籠ってやっていればいい。もしくは自習室の奥でやっていれば幾分か違うでしょう。
質問もしたいから便利な席で勉強したい。静寂があればより良いな。なんて真っすぐな気持ちなんでしょうが、どこかで姿勢がズレてしまった様子。
私は彼女に質問をしました。
「おまえ、家では女王のように振る舞ってるだろ?勉強に取り組んでる私が一番偉いみたいに」
目を見開いて彼女は言いました。
「なんでわかるんですか?」
あぁあぁ、真っすぐに変な方向に伸びてしまっていました(+_+)
保護者も一生懸命頑張る我が子を大切に思うがあまり、勉強の環境や勉強に関する彼女のわがままを聞いてきてしまったのでしょう。
気が付いてよかった。咎めることができてよかった。
私の強めの返答と私の問いかけだけで、あえて「こうしなさい」なんて言わずともわかる子です。
これ以上何も言うことなく、その後その子から目に余る勉強への要望は無くなりました。
先週の人生最高レストランご覧になりました?女優の伊藤沙莉さんがゲストの回です(しばらくはTVerで見れます)
沙莉さんのお母様は厳しい方で、周りの人の支えなく一人で育ったみたいな振る舞いをしたときにめちゃくちゃ叱る方だったそうです。
お母様は「一人で神輿は担げねぇ」が口癖だったそうです。大きなことに取り組めるのは決して一人だけの力ではなく、周りの人のおかげもあってのことだという意味でしょうね。
このエピソードにふさわしい口癖ですよね。
勉強に一心不乱に頑張る我が子を見ることが出来るということは、幸せなことだと思いますが、だからといって変な勘違いをせぬよう、保護者には見守ってほしいです。
合言葉は「一人で神輿は担げねぇ」ですね(´▽`)
思い出話でお送りしました。
今日はこのへんで。
それでは。
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國立拓治
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