「売上のためだけに20万円とか30万円とかの夏期講習を取らせちゃうボッタクリ個別指導塾に気をつけて」なんて記事を過去に書きました。
個別指導塾業界の暗部ともいえる部分かと思います。実際にこんな個別指導塾は存在しますよ。結構多く。
この内容、なかなかデリケートなもので、賛否両論いろいろご意見いただきました。
この話題に関して塾側のこんな意見を耳にすることも。
「生徒に必要な指導内容を塾が正しく提案しなかったらそれは失礼にあたる」
「自分の子がもしも塾に通ったとき、懐具合を勝手に想像されて必要な夏期講習の受講量を提案されなかったらその塾を許さない」
これらの意見自体は正しいと私も思っています。
でもこの意見はいずれも売り上げだけを追わないガチな塾の先生から聞こえてきた台詞なんですよね(^^;)
この意見が空々しくないんです。血が通ってます。
そして、この先生方の塾は通ってくれているご家庭と信頼関係が出来ていて、膝突き合わせて相談できる間柄なんだろうと思うんです。(勝手な想像(^^))
さらに、この台詞を言えるということは、保護者側に回ったとしても具体的に要望を先生に伝えて、塾側と信頼関係を自ら積極的に結ぶことができる自信があるからこその強者の意見じゃないかと。
これらの正論は全ての塾の先生・塾に通う家庭に当てはまるわけじゃないのではないかと、この正論通りにやれる人ばかりじゃないだろうと、私は思うのです。
個別指導塾ってティファニーみたい
私は思うのです。個別指導塾って宝石店みたいだなって。
例えるならば高級宝石店「ティファニー」ですよ。
ティファニーブルーが美しい、多くの人が憧れるジュエリーブランドですよね。
1つ1万円ぐらいから買えるネックレスもあれば、「王族か?」というツッコミが似合う1つ1億円を軽く超えるネックレスも置いてます。
お客も「宝石っちゅうのはそういうもんだ」という前提で来てますから、旅先の居酒屋みたいに「おススメはどれですか?」なんて軽々しく聞くことは無いでしょう。
もしも聞かれたならば、聞かれた店員も困りますよね。1万から1億の商品置いてますから。
値段を気にせずなら「3千万のこのサファイヤがおススメです」となるでしょうが、「予算はどれぐらいでお考えですか?」と聞き返すのが普通でしょうね。
宝石店は「夢」に包まれた空間、購入する男の心には「見栄・プライド」もあったりで、購入したい宝石の予算を上手く聞き出すのも宝石店店員の手腕なんでしょうね。
・・話逸れそうですが、宝石店と個別指導塾は似てるなって話です。
似てるポイントは「価格帯がとても広い」という点と「購入までに『夢』とか『見栄』とか他の要素が入り込んでくる」部分です。
個別指導塾は・・・同じく価格帯が広いです。集団授業塾なら、夏期講習この価格です!でおしまいですが、個別指導塾はその生徒に応じて価格が決まります。
塾にもよるんでしょうが、夏期講習は2~3万円ぐらいから、冒頭に書いた通り20万30万まで。場合によっては50万近いこともあるんでしょうか?
夏期講習の空いている時間をすべて授業でぶち込んで、勉強合宿やら対策教材やらフルで取ったらそんな予想を遥かに超える高額な世界もあるのかもしれませんね。
千鳥ノブならば「価格のクセがすごいんじゃぁ」と嘆くことでしょう(言いたいだけ)
「先生」は最初から5段の上に立っている
さて、こんな広い価格帯を持つ個別指導塾において、どのように夏期講習の費用を決めていくのか?
保護者と膝突き合わせて、相談の上で決定して行けたらと思うものの、塾側として強く心がけておかなきゃいかん点があると私は思っています。
それは、「先生」と名の付く職業なので、最初から生徒・保護者より高い位置にいるという点です。
例えばお医者様、・・・・ほら、この名称からすでにオーラ出てますよね(^^)職業の前に「お」がついて最後に「様」までついてる。
医者と言うのは多くの人々に敬われる職業です。「先生」なんて呼ばれる職業はそういうものです。
お医者様は患者から10段上にいます。医者の指示は物凄いパワーを持ってます。
「3日は安静にしてください。お風呂もシャワーに留めてください」なんていう医者のアドバイスに逆らうのは簡単ではありません。逆らえるのは大馬鹿者か医者同等の知識を持つ人だけです。
塾の先生はというと・・医者ほどじゃないにせよやはり先生と名の付く職業です。保護者よりも5段は上にいると思うのです。
いや、5段上にいると思われることが多いかと。
この位置関係が最初からあることを心に留めなくてはいけません。先生の指示はパワーを持ってます。逆らいにくいパワーをです。
医者と違って日々我が子がその先生の塾に通います。ご近所づきあいのように接する必要がありますし、先生からの指示は逆らいにくいのです。
先生が安易に口にした言葉にも、先生自身で気が付かない5段分のパワーが乗ってます。
こんな状況下で夏期講習の費用(受講回数)を先生と保護者が相談して決めるのです。
こういう表現は違うのかもしれませんが、あえて生々しく書いておきます。
商売としては断然塾の先生が優位に立った状態での商談です。商談の機会少ない母親との交渉を半分ビジネスマンの塾の先生がするわけです(企業塾の場合)
先生とビジネスマンの中間に位置する塾の先生、大きな力を持ったまま売り上げを求められる立場に立つというとても危険なポジションですよね。
だからこそ、この5段差を踏まえて相談するべきだと私は考えます。自分の持っている大きな力を理解した上で話をするべきだと。
5段降りるか5段登ってもらうか、お互い歩み寄るか。保護者と対等な位置で相談が出来て無ければフェアじゃないなと思ってます。
・・・
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段々と説教臭くなってるのは歳のせいでしょうか?(^^)
20年前、右も左もわからぬまま塾業界に入った自分自身に聞かせるつもりで書いてます。
この「夏期講習はぼったくりが起こりやすい件について」に関してはいつもモヤモヤ思ってます。
今日はそのモヤモヤポイントの1つ
「先生は最初からマウントポジションにいることを忘れるな」
ということについて書いてみました。
その他の私の持つ塾の夏期講習モヤモヤポイントは、
「そもそも必要な指導ってなに?」
「家庭の懐具合って想像すべきじゃない?」
「塾の夏期講習売り上げ目標って?」
自分の中でも結論出ずにモヤモヤと思ってる部分、ここで記事にすることで周りの先生方にご意見いただいたりしながら理解を深めたいなと思います。
また書いてみますね。
今日はこのへんで。
それでは。
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國立拓治
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