定期テストの過去問演習はやってません!

今日もお問い合わせをいただきました。転塾を検討しているとのことで、質問させてくださいとのこと。

いろいろとお答えした最後に聞かれたのがこの質問。

「●塾さんとかでは定期テストの過去問を使って演習をしたり出来るって聞いたのですが、そちらの塾では過去問を利用することってありますか?」

たまーに聞かれる質問ですね。お答えを。

「もう今はやってませんね~。むかーしはうちでもやってたこともあるんですけどね。主要教科も副教科も集めてやらせてみたり」

「結局本来の学力とは違うものなので、ここに取り組むことは辞めました」

「そうですか~」と少々残念そうな電話口の保護者様。また娘と相談します~と電話が切れましたが、もしかしたら過去問バチバチにやってます!という私の返事でしたら、対応も違ったかもしれませんね(^^;)

学習塾における定期テスト過去問というのは、農家における農薬に近いかなと。もしくはラーメン屋の化学調味料かと。

使用をすると簡単に目に見えて成果は出るが、使わなくて良いなら使わずに同じ成果を出したいと誰もが思うのではないかと。

使用をするとですね・・・

農薬を使いすぎると、敏感な体の人は不調が出るかもしれません。ただ、人体に影響が出るのは少し先で、それは目に見えません。

化学調味料を使いすぎると、舌先がビリビリとしびれて、食後に無性に喉が渇きます。人体に与える影響はすぐに出ず、それは目に見えません。

日本はすぐに不調にならない食品系の規制が先進国の中でダントツ緩いです。食品添加物とかユルユルです。

わかりやすくすぐに体調が悪くなって管轄省庁の責任問題にならないものは規制が緩いとか、日本らしいでしょうか(;・∀・)規制が入ったレバ刺しが良い例です。

おっと、話が反れそうですね。

話を戻すと、定期テストの過去問を使いすぎると・・・

定期テストの過去問があるから高得点が取れるという見せかけの優等生が誕生する恐れが。

大げさに書けば過去問無ければ点が取れないなんて状態に。そんな状態は今後1ミリも役立ちませんからね。

しばらくは影響はすぐに出ず、それは目に見えません。

偉そうに書きながら、私も使ってました。過去問を。

「そんな理想わかってるけど、それでも1点でももぎ取らせてやりたいんだよ!」

「高校入試でも過去問使うじゃねーか。それとどう違うんだ?」

ってな気持ちからですね。

これらのことも踏まえたうえで、改めて当塾が定期テストの過去問を利用しない理由を3つ書いておきます。

まずは最初に書いた通り。

1.過去問頼りでとった高得点は本来の学力とは言えないから!

先ほども書きましたが、過去問があったから高得点が取れたという状況は、本来目指す方向では無いと。それを学力と呼ばないだろうと。

誰が出題をしてもその教科で大切なことは変わりが無く。であれば、正攻法で学習をして、正攻法で点が取れるように準備をした方が良いのではないかという理由です。

まぁ多くの塾が口にするカッコいい理由です。私も口にしてみました。

もちろんウソではありません。しかし私の中ではこの理由は6割から7割でしょうか。残り3割4割は・・・

2.過去問に割く時間と労力が成果と釣り合わないから!

数値を変えるだけでいつも過去問そのまま60点分ほど出題をするという中3数学の先生が、15年ほど前に岩倉中学にいました。

これはチャンスと、私立推薦を目指す生徒に過去問をしっかりやらせてみましたが・・・同じ形式でも数値が変わるだけで取れない子は取れない!( ゚Д゚)という事実をここで知りました。

正直「過去問やったから高得点取れました~」なんて記憶が過去に無いです。

現在当塾は14中学から生徒に来てもらっていて、各学年をカウントすると23学年にもなります。

これら各中学各学年の定期テストの回収の手間は恐ろしいもの。9教科ですから、200種類を超えます。

ここから次年度にテスト範囲に沿って演習できるように準備。範囲がズレたらアウトですし先生が変わったら効果は薄くなります。

これを23学年分用意をして、テスト前に演習をすると。

割に合わん!!( ゚Д゚)

こんな成果が薄く本来の学力とズレる取り組みに塾側として時間と労力をかけてられない!というのも大きな理由です。

3.副教科は実技のウェイトが大きいから!

副教科のテストは過去問で成果を出しやすい部分はあります。

それは、副教科の先生は中学に配属される人数が少なく、1学年まるまる同じ先生だったり他学年も受け持っていたりで、その先生がテストを作ってしばらく同じ傾向で出題されるからです。

「これはいいぞ」とやらせてましたが・・・あまり通知表に反映しづらいなと。

もともと副教科は学校での実技が大きなウェイトを占めて、どうしてもペーパーテストは通知表への影響は限定的。推測影響は4割以下でしょう。

どれだけテストで点が取れても、実技と授業の取り組みがいまいちであると、通知表は変化しないんですよね。

時間と労力の割に合わない状況がここにもあるのです。

以上3点の理由から、当塾では定期テストの過去問演習は取り組んでおりません。

「定期テスト過去問演習をするためにかける時間と労力は、本来の学力をつけるための指導に使いたい!」「…なーんて、過去問演習が割に合わないという理由もあるけどね」というのが本音ですね。

ぶっちゃけ、もしも私の塾が1つの中学専門で取り組む個別指導であったならば、ゴリゴリに過去問を集めてやらせていたかもしれません。

1中学ならではの部分を出すべく、やれることを全部注ぎこみたいですから。

定期テスト過去問演習について思うところ、本音の部分で書いてみました。

今日はこのへんで。

それでは。

2021年7月15日発売の新刊です!↓

おかげさまで1万部突破!7刷重版出来中!↓

小学生高学年向けに書いた最初の1冊目がこちら!↓

兵庫県伊丹市に伊丹校を開校しました!こちら!

初めてこのブログにお越しいただいた方はこちら!

愛知県公立高校の高校別入試情報をBASEで販売中!こちら!

YouTubeはこちら!更新通知になるツイッターはこちら!

「友だち登録」でblog更新情報をLINEで通知します!

友だち追加

The following two tabs change content below.

國立拓治

愛知県岩倉市と兵庫県伊丹市にあるさくら個別指導学院の塾長。2005年より愛知の中学生親子の力になれるよう当ブログを日々更新。月間最大50万PV。拙著「くにたて式中学勉強法」は12刷重版!著書累計は6万5千部突破!休日は余談も発信!3度の飯より飯が好き。詳しいプロフィールはこちら。