昨日は副教科の内申点についての質問についてお答えする内容でした。
内容的には「生れつきの特性もあって不器用で、ペーパーテストも小テストも無い作品だけで評価をつけるという美術の先生の授業で内申1をとってしまった。これは仕方ないことですか?」といった感じの内容でしたね。
いただいた質問、改めてここに貼っておきましょうかね。
この質問に対する私のお返事を書いた記事はこちら↓
私のお返事、端的に言えば、「中学校に真正面からお願いしてみませんか?」といった内容でした。
さて、この記事を公開したら、いつもに比べてX(旧ツイッター)の保護者アカウントに反応がありました。皆にとっての関心事項ですよね。
そして、しばらくして質問をしていただいたご家庭からお返事が届きました。実はいただいた質問は約2か月前のものでして、私がお返事を書くまでに実際に動きがあったようなのです。
このいただいたお返事、シェアをして皆で共有したいと思いまして、今回はこのお返事の文面を皆さんにご紹介するのが主です。こちら↓
(モザイク多いですが、要は要望伝えて、それが伝わったという内容です。少々デリケートな内容ではありますので、モザイク多めでお届け)
どうですか?凄いですよね。素晴らしい着地です。素晴らしい交渉です。
参考にすべき部分が本当に多くて。
ちょっと内容を見ていきましょう。
実は、夏休みに夫婦で教育委員会を訪ねました。そこで、あくまで作品のみで評定を付けるというやり方には、教育委員会としても疑問がある。教育委員会から学校に連絡をさせてもらいたいと言われたため、了承し、後日教頭先生から連絡がありました。
まずここが素晴らしいです。
中学校に通知表の付け方について問い合わせたうえで、やはり納得が出来ないと。「本人の意欲等を評価せず作品の出来一本で評価をつけるというのは通知表の付け方としてアリなの?」という部分ですよね。
ここを明確にしたいと。ここでご両親で教育委員会に足を運んで話を聞いてもらうという行動がよかったです。ご両親でという部分が真剣度本気度が伝わります。
たとえばこれが父親だけとかになると、感情的に怒りに任せてやってくるのではないか?と思われることあるかもしれませんし。
これが両親揃って、落ち着いてアポを取って、話を聞いてもらう機会を作ってもらったのが効いていると思います。
教育委員会で話す場面でも、おそらく落ち着いて穏やかに相談ベースで話をされたのだと想像します。一方的に怒鳴り散らして納得いかない部分を伝えてきたわけじゃないわけです。
時間をとってもらった対応に感謝をし、日々指導をしてくれている先生方に感謝をし、そんな中でこの部分は納得いっていませんと話を伝えて、教育委員会としての見解を聞かせてもらったという流れなのだと想像をします。
想像ばっかりですが、そうでなければ、この展開になっていかないよなぁと思うんですよね。
で、ここから。
その後、私たち夫婦と、美術担当教員、教務主任、教頭、校長を交えて話をする場が設けられ、まずは学校や先生方への感謝の気持ちを伝えつつ、納得がいかないと感じていることなど、私たち夫婦の率直な気持ちを聞いていただきました。
子どもの特性や、十分な時間があれば、ある程度まではこなせること、嫌な事や苦手な事にも真面目に取り組む性格などについても伝える事が出来ました。
教育委員会からの連絡もあって、中学校で6人も集まる話し合いの場をとってもらうことができたと。
ここに文字で記されているように、まずは感謝を伝えるところから始めているところが素晴らしいです。アリストテレスの「説得」ですよね。
まずは日ごろの指導への感謝を伝えることで、敵対したいわけではなく、信頼しているということをしっかりと伝えてます。
そこから、学校の先生方への共感を示しつつも、最終的に論理的に「こういう部分はこういう理由で納得がいっていません」と気持ちを伝えたと。
この手順で穏やかに交渉をされたならば、逆に突っぱねることが難しいですよね。
で、どうなったかというと↓
学校としては、成績の付け方に問題は無いというスタンスは崩されませんでしたが、指導の余地はあったと思っている、今後は評定における三観点でCが付く子を無くすことに学校として全力で取り組むと言っていただきました。
ここですね。ここも大切です。
相手のことも尊重をして、お互いが良い形でこの後の中学生活を送れるように、穏やかな着地を目指したところも素晴らしいです。
たとえばここで相手の言うこと全てを言い負かせて、
「あほ言え!教育委員会も言ってるやろが!成績の付け方に問題があったからこの話し合いがあるんちゃうんか!?ちゃんと謝れや!」なんてことになったら話し合い台無しですよね(笑)
学校としてとか、今後の指導とか、他への影響とか、いろいろ総合的に考えて引けないラインというのが中学校側にもあるのだと思います。
ここを間違いと認めてしまうと、その一人の先生を攻めちゃう形になっちゃいますし、それを良しとしていた学年主任、教務主任、教頭、校長、中学校全体の責任問題になっちゃいますからね。
「ちょっと改善すべき面もあったから、これから良くなるようにしていきましょう」という形を落としどころにしたのでしょう。
話し合いに参加した皆が、これからの皆にとっていい形を模索して、穏やかに話し合いを終えたのが素晴らしいです。
怒鳴り散らして良いことなど1つもないですからね。
以上です。参考にすべきは…
「終始穏やかに相手へのリスペクトを示しながら論理的に交渉をする」
「完全勝利を目指さない。相手のメンツを潰さない」
というところでしょうか。
アリストテレスですね~。
もちろん、この交渉方法であればなんでも意見が通るわけじゃ無いですからね。
論理的に話が通っていなかったら、いくら中学校校長に直訴しても、教育委員会に話してみても、意見は通りませんからね。
ここも踏まえて、どうにも納得いかないなんて場面あれば、終始穏やかに相手へのリスペクトを示しながら論理的に交渉をしてみてください♪
今回のご家庭みたいに意見を聞いて動いてくれることあるやもしれませんので。
質問のお返事をご紹介しました。
今日はこのへんで。
それでは。
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國立拓治
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